メーガン妃の父親トーマス・マークル(82)が、子どもへの性的虐待を写した画像を持っていた疑いで、2026年11月6日にアメリカのフロリダ州で逮捕されました。

2018年、娘とヘンリー王子の結婚式に姿を見せなかったのが、この父親です。

結婚式からの8年あまり、メーガン妃は「年老いた父を見捨てた娘」と言われ続けてきました。

ところが逮捕の2週間前、メーガン妃は声明を出し、父親を子どもたちに会わせなかったのは「守るためだった」と明かしています。

しかも父親の元妻がその疑いを書いた手紙は、2019年1月の時点で、ロンドンの警察に届いていたことが分かりました。

夫妻はこの夏、6年ぶりにアメリカからイギリスへ生活の拠点を戻したばかりで、英王室にとっても他人事では済まない話です。

声明が出た日、メーガン妃に手厳しいことで知られるイギリスの司会者ピアーズ・モーガンは、「それほどの疑いを知っていたなら、なぜ父親は逮捕されなかったのか」「なぜメーガン妃は公にしなかったのか」と問いかけています。

その2つの「なぜ」に、いま報道で分かっていることだけで、どこまで答えられるのか。


メーガン妃の父の倉庫から出た78点

逮捕を発表したのはアメリカの司法省で、問われているのは児童ポルノを持っていた罪です。

FBIが調べたのは、父親のトーマスがロサンゼルスの近くに2008年の夏から借りていた2つの倉庫で、フィルムのネガやスライド、本など、あわせて78点が押収されたとのこと。

裁判所に出された書類によると、ネガを画像にしたうち少なくとも18枚が児童ポルノにあたるとみられています。

さらに、幼い女の子と一緒に写っている大人の男性を、証人がトーマス本人だと特定したと報じられました。

写真の背景から、撮られた場所はフィリピンのホテルとみられています。

ネットで「所持というレベルじゃない」という声が上がったのも、本人が写っているとされたからでした。

海外では、逮捕の一報がトーマスの顔写真とともに一気に広まっています。

トーマスは、2025年から暮らしていたフィリピンで左脚を切断する手術などを受けたあとアメリカへ戻り、フロリダの高齢者施設で暮らしていたそうです。

6日の午後にはタンパの裁判所に車いすで姿を見せ、保釈は認められたものの、外出を制限される条件がついたと現地のテレビ局が伝えました。

本人は10月の段階で疑いを「病的なうそ」と否定していて、逮捕されたいまも有罪と決まったわけではありません。


通報したのは異母兄だった

この件が表に出たのは、逮捕の2週間ほど前のことです。

トーマスがアメリカへ戻ったあと、フィリピンの家で一緒に暮らしていたメーガン妃の異母兄トーマス・マークル・ジュニアが荷物を片付けていて、箱の中から大量の画像を見つけたとイギリスのサン紙に話しました。

異母兄はフィリピンの警察とFBIに届け出て、箱4つ分の荷物を警察に渡したそうです。

一方、異母姉のサマンサ・マークルは疑いを「うそ」だとして父親をかばい、兄が仕返しのためにでっち上げたと主張していて、家族の中でも言い分は真っ二つに割れていました。

ただ、今回FBIが押さえたのは、異母兄が見つけた箱ではなく、トーマス本人がカリフォルニアに借りていた倉庫の中身。

兄のでっち上げかどうか、という家族の言い争いとは別のところから、証拠が出てきた形です。

 

サン紙の報道が出た翌日の10月23日、メーガン妃は珍しく自分から声明を出しました。

思えばトーマスは、2018年の結婚式の直前にパパラッチと組んで撮らせた写真が報じられて以来、テレビや新聞に出て娘を批判し、孫のアーチー王子とリリベット王女にまだ一度も会えていないと嘆いてきた人です。

日本のネットでも、父親がかわいそう、冷たい娘だ、という声は根強くありました。

声明でメーガン妃は、「長年、一部のメディアにゆがめられてきたが」と前置きしたうえで、父と距離を置き、子どもたちと会わせなかった理由はただ一つ、子どもたちを守るためだったと書いています。

英語圏でも、何年も「父を切り捨てた」と叩かれてきたのは子どもを守るためだったのか、と受け止めた投稿が広く読まれました。

もちろん、これはメーガン妃の側の説明です。

サン紙は、2025年12月に脚の手術で入院していたトーマスのもとへ、メーガン妃が病院のスタッフを通して手紙を届けさせていたとも報じています。

その中身は、「若い女の子たちを虐待したことを知っている」「孫には会わせない」という趣旨だったとのこと。

メーガン妃は、少なくとも父親が入院していた去年の冬の時点で、この疑いを本人に向けてはっきり書いていたことになります。


2019年に警察が受け取った元妻の手紙

では、メーガン妃はどこでその疑いを知ったのか。

声明によれば、警察などに届いた手紙の中身を知らされ、そのときに「捜査を進めている」と説明を受けたそうです。

BBCの報道では、その手紙を書いたのはトーマスの最初の妻ロズリン・ラブレスで、異母兄と異母姉の母親にあたる人でした。

1975年にトーマスと離婚し、2024年に亡くなっています。

 

この手書きの手紙を受け取ったのは、メーガン妃を含む王室の人たちの身辺を守るロンドン警視庁の王室警護部門で、届いたのは2019年1月。

警視庁は10月24日、手紙に「イギリスの外での犯罪の疑いがいくつも書かれていた」と認めたうえで、手紙を夫妻の事務所へ回して中身を知らせたこと、そしてほかの捜査機関には伝えていなかったことを明かしました。

さらにタイムズ紙によると、警視庁は手元に原本を残しておらず、控えを持っていたメーガン妃の側に提出を頼んだそうです。

警視庁は10月29日、自分たちの判断を独立警察行動監察局(IOPC)という外部の監察機関にゆだね、海外の捜査機関とも情報を共有する方針を示しました。

IOPCも翌30日、独立した調査に入ると発表。

イギリスで子どもを守る捜査機関のトップを務めたジム・ギャンブルは、BBCのラジオ番組で、海外の人物が子どもに危害を加えるおそれがあるという情報なら、真偽が分からない段階でもFBIなどに伝えて確かめてもらうのがふつうだ、という趣旨の話をしています。

2019年の手紙を読んだあと、FBIなどの捜査機関へ伝えた様子が見えないのは、メーガン妃だけではありませんでした。

王室の人たちを守る警察も、同じ手紙を受け取りながら、今年の10月までどこの捜査機関にも伝えていなかったんです。

 

もっとも、メーガン妃の説明にもすっきりしない点は残っています。

メーガン妃は声明で手紙の年を「2018年」と書きましたが、警視庁の記録は「2019年」で、メーガン妃側の広報があとから記憶違いかもしれないと認めました。

この食い違いと控えの話を並べて、皮肉まじりにまとめた投稿も読まれています。

原本は警察の手元からなくなり、控えはメーガン妃の側にだけ残っていた、この形が話をややこしくしているのは確か。


なぜメーガン妃は公にしなかったのか

ピアーズ・モーガンの1つ目の問い「なぜ逮捕されなかったのか」には、警察がほかの捜査機関に伝えていなかった、という答えの一部が見えてきました。

残るのは、2つ目の問いです。

自分の子どもを遠ざけるほどの疑いを知っていたなら、なぜ自分から公にしなかったのか。

同じくメーガン妃に厳しい司会者のダン・ウートンは、「自分の子どもは守りながら、ほかの子を危険なままにしていた」とまで書いています。

知っていたのに黙っていたのでは、という疑問は、この件でいちばん多くの人が引っかかっているところかもしれません。

 

いま分かっているのは、メーガン妃が「捜査を進めていると説明された」と言っていることと、警視庁が「夫妻の事務所には知らせた」と認めていることの2つです。

手紙が届いた2019年、メーガン妃は王室の公務を担う現役のメンバーで、手紙の中身は、王室の中にある夫妻の事務所へ回されていました。

そのとき警護部門が事務所に何と伝えたのかは、まだ分かっていません。

メーガン妃の側が、そのあと自分で何をしたのかも、声明からは見えてこないまま。

警察の判断のほうは、10月30日に始まったIOPCの調査で確かめられていくことになります。


英王室への影響はどこまで及ぶのか

2020年に夫妻が王室の公務から退いてアメリカへ移ったときも、王室に迷惑をかけるな、という厳しい声はたくさん上がりました。

そこへ今度は父親の逮捕か、とため息をついた人も多いと思います。

しかも今回は、タイミングがよくありませんでした。

 

2026年7月、夫妻は子どもたちを連れてイギリスを訪れ、チャールズ国王とカミラ王妃に会っています。

CNNによると、国王が孫のアーチー王子とリリベット王女に会ったのは、4年ぶりだったそうです。

その翌月には、夫妻が6年ぶりにイギリスへ生活の拠点を戻すと報じられ、子どもたちもイギリスの学校に通い始めました。

帰ってくると決まった時点で、すでにこう冷ややかに見ていた人も少なくなかったということ。

王室の公務に戻るわけではないものの、国王は一家に会える機会が増えるのを喜んでいる、とも伝えられていたんです。

 

そんな中で出てきたのが、メーガン妃の父親の逮捕でした。

夫妻の広報は逮捕についてコメントを控えていて、バッキンガム宮殿も答えていません。

ただ、王室にとってより重いのは、父親の逮捕より2019年の手紙だと思います。

逮捕はトーマス個人の疑いですが、手紙のほうは、王室を守る仕組みの中で止まっていたからです。

手紙を受け取ったのは王室の人たちを守る警察の部門で、渡った先は当時まだ公務を担っていた夫妻の事務所でした。

ハリウッド・リポーターの日本版も、警護部門や夫妻の事務所など、王室の周りでこの疑いをどこまで知っていた人がいたのかが、IOPCの調査の焦点になりそうだと伝えています。

ネットでは、メーガン妃がまた英国王室に泥を塗った、という声も出ていますが、いま王室に及んでいるのは、メーガン妃の家族の問題と、王室を守る側の手続きの問題の両方です。

いちばん重いのは、もちろん被害を受けたかもしれない子どもたちのこと。

そのうえで、国王が4年ぶりに孫と会え、一家が戻ってきたばかりのこの時期に、7年前の手紙が表に出てきたのは、なんともやりきれないですね。