桐山照史のカフェ|アイドルのバイト解禁の弊害を解説する
WEST.の桐山照史が、東京・中目黒でカフェを開いています。
その店の話が、2026年9月1日から2日にかけて、Xで一気に広がりました。
きっかけは、8月31日の誕生日です。
その日、ファンが店に集まってシャンパンを開けた、という話が回りました。
引っかかった人が、口をそろえて同じことを言っています。
ジャニーズが副業禁止にしていた理由が、いまわかった。
あのころは、アルバイトひとつ事務所の許しなしにはできなかったはずだ、という記憶です。
その記憶は、間違っていません。
事務所が認めない副業をしていた、というだけで仕事をまとめて失った人が、13年前に実在します。
ただ、副業が解禁されたこと自体は、たぶん悪いことではないはずです。
問題はそこではありません。
外れた線の代わりを、誰も引かなかった。
今回の引っかかりの出どころは、そこです。
カフェは4月から開いていた
この店は、今週できたものではありません。
桐山照史が代表を務めるライフスタイルブランド「F BULL’S」の実店舗として、2026年4月15日に中目黒でオープンしました。
愛犬と一緒に入れる作りで、アパレルと雑貨の販売までひとつの店に入っています。
看板メニューはキューバサンド。
スイーツには、フレンチブルドッグの形をしたカステラが並びます。
本人がエプロンをつけて店に立つ日もあって、その写真も店の側から出ています。
オープンの少し前には、招待客だけを入れたプレオープンの日がありました。
呼ばれていたのは、元関西ジャニーズJr.のメンバー、舞台やドラマの共演者、それに幼馴染。
始まりは、身内と仕事仲間に見せる店でした。
そこから4か月半、この店が燃えたことは一度もありません。
4月ごろの反応は、たとえばこんな調子でした。
桐山照史って事務所やめてカフェはじめたんだ!
しらんかった!びっくり!— いちか (@777777men) 2026年4月11日
事務所を辞めたのかと思った、という驚きで止まっています。
責める言葉は、どこにもありません。
所属したまま自分の店を持つという形が、そもそも想像の外にあったんですね。
燃えたのは店の中身ではなく、店の話が出てきた日のほうでした。
8月30日に、藤井流星と小瀧望の脱退が発表されます。
翌31日が、桐山照史の37歳の誕生日でした。
そして同じ日、ファンがその店へ集まります。
脱退の発表と誕生日が重なったあの2日については、誕生日ブログに出てきたファンの本音のほうに整理してあります。
4か月半なにも言われなかった店が、3日のあいだに別のものとして見え始めましたね。
あの副業禁止は本当にあった
旧ジャニーズ事務所には、所属タレントが事務所の認めていない副業をすることを許さない、という決まりがありました。
イベントを自分で主催することも、店を持つことも、そこに入ります。
理由としてよく説明されてきたのは、二つ。
本業から気持ちが逸れること、そして事務所を通らないお金の流れができてしまうことです。
だから、こういう言い方が自然に出てきます。
桐山のカフェシャンパン置いてんのWWWWW事務所辞めてからやってくれ
— ˆ-.-ˆ (@maa_nee_) 2026年9月2日
事務所を辞めてからやってくれ、という一行なんです。
この人は、店をやるな、とは言っていません。
やるなら所属したままではないだろう、という順番の話です。
その順番が変わった背景には、2023年に旧ジャニーズ事務所が性加害の問題で解体されたことがあります。
会社が作り替えられる中で、タレントを縛っていた決まりごとも、まとめて見直されました。
2024年4月、タレントの管理はSTARTO ENTERTAINMENTへ移ります。
他社のCMに出ることも、ブランドを立ち上げることも、店を出すことも、いまは止められていません。
禁止されていた副業が、事務所の側で認められるようになった。
つまり変わったのは本人の性格ではなく、事務所の線引きのほうなんです。
同じことをしているのに、13年前は解雇で、いまは許可。
その落差を一度に見せられたのが、今回の3日間でした。
13年前にクビになった人がいる
その決まりは、言葉の上だけのものではありません。
2013年9月30日、KAT-TUNの田中聖が、ジャニーズ事務所との専属契約を解除されています。
事務所が発表した理由は、度重なるルール違反行為。
その中身として当時報じられたのが、イベントの主催や、バーの経営。
事務所が認めていない副業をしていた人が、グループも仕事もまとめて失いました。
KAT-TUNは、そこから人数が減り続けていきます。
ファンにとっては、副業という言葉がグループが欠けていく合図とセットで残りました。
この記憶があるから、今回の写真を見た人の反応はこうなります。
事務所が違うからなんと言っても無駄だと思うけど、hyphenとしてずっと生きてきたから、重岡や桐山がやってる事って、仁や聖よりかなり酷いと思うんだよね。
カフェの写真が出てきた時、え?なんでこれで解雇にならんの?って思ったもんね。その時から、不信でしか無かった— hikame (@hikameGhyphen06) 2026年9月1日
なんでこれで解雇にならんの、と書いていますね。
hyphenというのは、KAT-TUNのファンの呼び名です。
つまり、あのころを最初から見ていた人の言葉です。
この問いは、感情だけで出てきたものではありません。
同じことをして仕事を失った人を、この人は実際に見ている。
記憶違いだと言われる筋合いは、ないはずです。
念のために書いておくと、発表の言葉は度重なるルール違反というもので、副業だけが理由だと事務所が言ったわけではありません。
それでも、副業がその中に入っていたことは、当時からずっと語られてきました。
赤西仁と田中聖は同じではない
ただ、この並びには一か所だけ、ずれているところがあります。
仁や聖より酷い、と2人が並べられている部分です。
赤西仁がKAT-TUNを離れたのは2010年で、そのとき語られたのはソロ活動の方向性でした。
副業を理由に契約を切られたわけではありません。
事務所そのものを離れたのは、そこからさらに4年あと。
細かい違いに見えるかもしれませんが、ここが意外と効きます。
2人を並べると、副業でクビになったという事実のほうが薄まってしまうんです。
反論したい人は、必ず弱いほうから崩しにきます。
仁は副業じゃないよ。
そう言われた時点で、話ごと勘違い扱いにされてしまいますからね。
副業禁止の話をするなら、相手は田中聖ひとりで足りるはずです。
一人に絞ったほうが、事実としてはずっと強く残ります。
バイトではなく代表取締役
桐山照史は、この店に雇われているのではありません。
店を運営しているのは株式会社ぶるずという会社で、その代表取締役が本人です。
順番でいうと、まず2025年にF BULL’Sというブランドが立ち上がり、その翌年に実店舗ができました。
思いつきで始めた話ではありません。
二段階かけて、きちんと作られています。
ここが、バイト禁止という言葉との一番のずれです。
禁じられていたのは掛け持ちの仕事で、いま起きているのは会社を持つことだからです。
会社の代表になるというのは、収入の柱を事務所の外にもう一本立てるということでもあります。
この落差に気づいた人が、こう書いていました。
今回の件で知ったけど、
WEST.桐山くん、奥さんと2人でカフェ出してるの?
「奥さんと一緒にやってるので来てくださいー」って?
事務所が副業許可してるとはいえちょっとアイドルとしてこの内容は無いなと思った…グループ現役所属なら尚更。他担としても自分は引いたし衝撃— オタくまち! (@Wota_Kumachi) 2026年9月1日
奥さんと一緒にやっているので来てください。
本人がそう話していた、という話がここに出てきます。
店は、家庭の仕事でもあるということですね。
そのうえで、事務所が副業許可してるとはいえ、と最初に置いています。
許可されているのは、この人も知っている。
知ったうえで、それでも引いた。
許可されている、で話が終わってしまうから、引っかかりだけが行き場を失います。
昔から、李下に冠を正さず、という言い方があります。
スモモの木の下で冠をかぶり直すと、実を盗もうとしていると疑われるから、そこでは手を上げない、という意味です。
もとは2000年ほど前の中国の詩で、規則を破ったかどうかではなく、疑われる場所には立たない、という話です。
今回引っかかった人が言いたかったのは、たぶんそちら側だと思います。
禁止だった時代なら、この日に店を開けるかどうかも、会社の側で決まっていました。
脱退の発表の翌日にあたる。
それだけの理由で止められた可能性もあります。
解禁でいちばん大きく変わったのは、その判断がまるごと本人へ移ったことです。
推しに渡すお金の道が変わった
この店には、もう一つ特別な事情があります。
客の多くが、WEST.を追いかけている人たちだということです。
ブランドの名前も店の場所も、いちばん早く届く先がそこだからです。
店が回っているのはWEST.の人気のおかげだ、という言い方が出てくるのは、そのためです。
アイドルとしての人気が、そのまま店の来客数になっている形です。
そして、いちばん強く言われたのが、店に高いシャンパンが置いてある、という一点でした。
犬と一緒に入れるカフェとして紹介されてきた店です。
そこにシャンパン。
しかもファンが入れるとなれば、一人あたりの支払いはコーヒー一杯とは桁が変わります。
桐山のカフェ、シャンパン置いてるってまじ??
自軍がそんなことしてたとかキモすぎる
で、開けて喜んでる人もキモすぎる
アイドルじゃなくてホストだったの??
だから落ちたって言われるんだよ— けんしょー (@tXad5anpAH6Nczl) 2026年9月2日
アイドルじゃなくてホストだったのか、とまで書かれています。
シャンパンという一語が、店の印象をほとんど決めてしまいましたね。
公平に言うと、開けろと言われた、という話は出ていません。
置いてあるものを、行った人が自分で選んで頼んだだけです。
引っかかっているのは、酒の値段ではなく、推しにお金を渡す形が変わってしまったことのほうでしょう。
CDやグッズなら、事務所を通って本人に届きます。
店で払ったお金は、本人の会社にまっすぐ入ります。
同じ応援なのに、途中に誰もいなくなりました。
店の中は空席だらけだった
外から見えていた絵は、はっきりしています。
脱退が発表された翌日に、本人の店でシャンパンが開けられている。
ところが、その日に店へ行った側の書き込みを読むと、少し様子が違います。
朝のうちは空席だらけで、騒げるような空気ではなかった。
昼にブログが更新されたところで泣いた人がいて、その空気を見ていられなくて飲んでいた、とも続いています。
席が埋まったのは、夜になってからだったそうです。
浮かれていたのではなく、その場をなんとか持たせようとしていた時間だった、とも読めます。
もちろん、これはその場にいた一人の書き込みです。
店にいた全員がそうだったとは言えません。
それでも、外から見えていた絵と店の中で起きていたことは、同じではなかったようです。
その日は、脱退の発表からまだ2日目。
祝いに行くつもりで来た人と、行き場がなくて来た人が、同じ店に混じっていたことになります。
写真は、その日いちばん明るい一瞬しか残しません。
残らなかった時間のほうが、たぶん長かったのではないでしょうか。
線を引く人がいなくなった
規則の話にした時点で、こちらの負けです。
事務所は許可していて、法にも触れていません。
ルール違反だと言った瞬間に、事務所公認だよ、で終わらされてしまいます。
言い返す言葉がないまま、引っかかりだけが手元に残ります。
でも、そもそも規則の話ではありませんでした。
副業禁止という決まりが守っていたのは、事務所の取り分ではなく、会えないという距離のほうです。
会えないから、雲の上の人でいられた。
その距離が外れたとき、代わりに距離を守る役目を、誰も引き受けませんでした。
引っかかっているのは、規則が破られたからではなく、守ってくれていたものが無くなったからです。
解禁そのものより、外れた線を誰も引き直さなかったことのほうが、弊害として出ています。
しかも、それを受けているのは本人ではなく、ファンのほう。
13年前なら、同じことでクビになっていました。
いまは、同じことをしても誰も止めません。
その差を3日で見せられて、何も感じないほうが不自然でしょう。
気持ちが追いつかないのは、こちらの心が狭いからではありません。
線が引き直されたことを、誰からも説明されていないだけです。
だから、いま感じている引っかかりを、無理に整理しなくていいと思います。
納得できていないという状態のまま、しばらく置いておいて構いませんよ。
