2026年9月20日の夜、timeleszのファンクラブサイトに、残る7人の連名で「大切なお知らせ」が出されました。

その1行目が、「この度、メンバーの猪俣周杜が逮捕されたことを聞き、全員、あまりの衝撃に言葉を失っています。」です。

スクショはあっという間に広がって、ネットには「言葉失ったのはこっちや」という声があふれました。

「語彙力がない」「稚拙すぎる」と、文章そのものを責める声も出ています。

ただ、読み返してみると、引っかかりの正体は言葉の上手い下手とは少し違うところにあるように思えるんです。

実はtimeleszは10か月前、まったく違う書き出しの謝罪文を出していました。

今回は、そのときの声明や、翌朝に同じ事務所のタレントが口にした言葉と並べながら、このモヤモヤの正体をわかりやすく解説していきたいと思います。


「言葉失ったのはこっち」の声

まずは、何が起きたのかを短くおさらいしておきましょう。

報道によると、猪俣周杜は2026年9月18日の夜、東京・江東区のコンビニの駐車場に止めた車の中で、20代の知人女性の顔を複数回殴り、出血するけがをさせた疑いが持たれています。

19日に傷害の疑いで逮捕され、調べには「口論になり手が当たってしまったかもしれない。パニックになった」と話して、容疑を否認しているとのこと。

同じ19日の夜には所属事務所のSTARTOが、被害を受けた方へのお詫びとともに、猪俣周杜を謹慎とし活動を休止すると発表しました。

20日に送検され、勾留が決まったと報じられています。

猪俣周杜は、Netflixのオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』、通称タイプロを経て、2025年2月にグループへ加わったメンバーです。

逮捕の経緯と、グループがこの先どうなりそうかは、こちらにまとめました。

timelesz猪俣周杜の水彩イラスト
timelesz猪俣周杜の逮捕で脱退は?『タイプロのせい』と言われる件 timeleszの猪俣周杜が、傷害の疑いで警視庁に逮捕されました。 2026年9月18日の夜、東京・江東区のコンビニの駐車場に止め...

 

7人の文書は、「あまりの衝撃に言葉を失っています」のあとに、「被害を受けられた方がいらっしゃることを、大変心配しております」と続きます。

そこからファンに向けて「ご心配やご不安、そして残念な思いをさせてしまったことを、重く受け止めています」「本当に申し訳ございません」と謝る形でした。

会員向けの文書でしたが、反応がいちばん集まったのはやはり1行目。

同じところで止まった人はほかにもたくさんいて、「なんでそっち側」「FC文で使わない言葉すぎる」といった声がずらりと並んでいます。

もう少し落ち着いた言い方で、こう書いた人もいました。

その一方で、「菊池風磨は何も悪くないよ」「メンバーを責める人を私は許さない」という声にも、大きな反応が集まっています。

7人を責めたいわけではない、でもあの1行目はつらかった。

ファンのモヤモヤは、この2つが同時にあるところから来ています。

だからこそ、「語彙力がない」で片づけてしまうと、大事なところを見落としてしまうんですよね。


10か月前は「心よりお詫び」から始めていた

覚えている人もいるかもしれません。

2025年11月18日、フジテレビの『めざましテレビ』に出演したメンバーの篠塚大輝が、童謡「大きな古時計」の「今はもう動かない おじいさん」を「おじいさんにトドメ」と変えたギャグを披露して、「不謹慎」という声が相次ぎました。

その3日後の11月21日、STARTOの公式サイトに出たのが、「timeleszから皆さまへ」という文書です。

書き出しは、「この度は、番組出演時のメンバーによる不適切な言動により、多くの方々に不快な思いをさせてしまったこと、心よりお詫び申し上げます」。

続けて、「個人の問題としてのみならず、timeleszとしてのことと捉えております」と書き、「メンバー各々に落ち度と責任があることを自認し」とまで踏み込んでいました。

文書のどこにも篠塚大輝の名前はなく、最後には8人全員の直筆の署名が並んでいたそうです。

このときは、ファンからこんな声が上がっていました。

本人の謝り方には当時も厳しい声がありましたが、グループの文書には「名前を出さずにグループとして責任を背負った」と心を動かされたファンが多かったと報じられています。

では、今回の文書と並べてみるとどうでしょうか。

前回は「お詫び」から始まり、今回は「衝撃」から始まる。

前回は名前を伏せて「timeleszとしてのこと」と引き受け、今回は「メンバーの猪俣周杜が逮捕されたことを聞き」と、名前を出したうえで「聞いた」という言葉を選んでいます。

ニュースで知った私たちと同じ、知らせを受け取った側の言葉です。

ファンへの「重く受け止めています」はあっても、グループとしての責任に触れる言葉は見当たりません。

ネットで「他人事みたい」という声が相次いだのは、ギャグひとつで「各々に落ち度と責任」と書けたグループを、ファンが知っていたからなんです。


浮所飛貴も「すごく驚きました」と話していた

とはいえ、7人の側にも言いにくい事情はあったと思います。

猪俣周杜は容疑を否認していて、何があったのかはまだ固まっていない段階です。

メンバーが「殴った」ことを前提に謝るのは難しかった、という面もあるでしょう。

被害を受けた方へのお詫びも、前日に事務所が「心より深くお詫び申し上げます」という形で出していました。

何より、本当に言葉が出ないほどのショックだったことは、ファンがいちばんよく分かっているはず。

 

そんな中、9月21日の朝に、同じ事務所の人がテレビで口を開いています。

日本テレビの『DayDay.』に出演していた、ACEesの浮所飛貴です。

コメントを求められて、浮所飛貴はこう話しました。

「僕自身も報道で聞いて知ったので、すごく驚きました。でも、まだ分かっていないこともあると思うので、僕の口から何か申し上げることはできないんですが、まずは被害に遭われた方がすごく心配ですし、1日も早く心穏やかに過ごせる日がくるといいなと思います」

続けて、「同じ事務所で活動する身として、改めて自分の行動に責任を持って、これからの日々の活動に向き合っていきたいと思いました」と結んでいます。

この場面の映像は、放送のすぐあとからネットで広く出回りました。

ネットには「言葉ひとつひとつを選んで落ち着いて回答してる」と、話しぶりそのものに心を動かされた声も並んでいます。

放送のあと、ネットではこんな比べ方をする人も少なくありませんでした。

言い方はかなり厳しいものの、うなずいた人が多かったのも分かる気がします。

もちろん、グループの外にいる人のほうが、落ち着いて話しやすい立場ではあるんですよね。

それでも並べてみると、浮所飛貴も「驚きました」と言い、「まだ分かっていないこともある」と、言えることの限界まで正直に口にしていました。

被害を受けた方への言葉も「心配」で、中身だけなら7人の文書とそれほど変わらない。

違ったのは、最後の一文です。

浮所飛貴は「自分の行動に責任を持って」と、この件を自分の側にも引き寄せて話を終えています。

7人の文書の1行目は、ニュースを見て驚いた人と同じ「言葉を失っています」でした。

届くかどうかを分けたのは、言葉の上手さではなく、どこに立って話したかだったんです。

「言葉を失う」は、ふだんならテレビの前でニュースを見た側がよく使う言葉。

だからネットでは、「言葉失ってるのはこちらのセリフ」と返す人が相次ぎました。


謝罪文を読んでモヤモヤするところ

あの文書を読んで「なんか違う」と感じた人は、たぶん同じ言葉のところで止まっています。

ひとつひとつは丁寧な言葉なのに、読み終えたときに「で、7人はどう思っているの?」が残ってしまう。

その引っかかりの元になっている言葉を、順に見ていきましょう。

 

1行目に来た「衝撃」

謝罪文を開いた人は、まず1行目で「何を謝っているのか」を探します。

そこに来たのが、7人自身のショックでした。

ファンがいちばん傷ついているときに、書く側の気持ちが先に来ると、「自分たちもつらいんです」と言われているように聞こえてしまう。

ネットで「同情してください感」という言い方まで出たのは、ここです。

 

被害を受けた方への「心配」

今回の文書で、被害を受けた方に向けた言葉は「大変心配しております」だけでした。

心配は、外から見守る人の言葉。

ネットでは、「今回の件で被害を受けられた方に対し、心よりお詫び申し上げます」と書き直してみせる人もいました。

否認中という事情を考えると、そこまでは書けなかったのかもしれません。

それでも、同じグループの仲間の件で「心配」だけでは、どこか遠くから見ている感じがしてしまいます。

 

「重く受け止めています」の中身

文書が重く受け止めていたのは、ファンに「残念な思いをさせてしまったこと」でした。

タイプロで審査する側に座り、猪俣周杜を仲間として迎えたのは、佐藤勝利・菊池風磨・松島聡の3人。

ファンが待っていたのは、10か月前と同じ「timeleszとしてのこと」という一言だったのだと思います。

これはアイドルの文書に限らず、会社のお詫びでも、学校からのお知らせでも同じです。

言葉がどれだけ丁寧でも、書いた人が自分たちの側に何も引き取っていなければ、読む人には「他人事」に聞こえてしまうんですね。


書けるはずの人たちなのに

謝罪文については、もうひとつ大きな声があります。

「慶應と一橋がいるのに、なんでこの文章なの」というものです。

timeleszには、慶應義塾大学を卒業した菊池風磨と、一橋大学の経済学部で学んできた篠塚大輝がいます。

ネットには「慶応(SFC)と一橋(後期)が居るくせに文章かけないのか」という書き込みまで出ていました。

日本語の引っかかりをいちばん分かりやすく見せたのが、この1枚です。

「チャッピー」というのは、生成AIのChatGPTのこと。

赤字で直された先を並べると、こうなっています。

  • 「逮捕されたことを聞き」→「逮捕されたことを受け」
  • 「全員、あまりの衝撃に言葉を失っています」→「メンバー一同、突然の知らせに大きな衝撃を受けております」
  • 「大変心配しております」→「深く案じております」
  • 「本当に申し訳ございません」→「心よりお詫び申し上げます」

直された側を読むと、たしかにすっと入ってくるんですよね。

 

一方で、ほめられた浮所飛貴は、立教大学の法学部を2024年に卒業しています。

ネットには「浮所くん法学部卒だったの久しぶりに思い出した」とつぶやく人もいました。

ただ、ここで言いたくなるのは、学歴の上下の話ではないはず。

10か月前、同じグループは「心よりお詫び申し上げます」から始まる文書を、8人全員の署名つきで出していました。

書けない人たちではなく、書けるはずの人たちが、あの1行目を出してきた。

「学歴がいいのに」という声の中身は、「言葉を選べるはずの人たちなのに」という苛立ちなんです。

 

そしてもうひとつ、「自分たちの立場が分かっていないのでは」と感じた人も多いと思います。

アイドルにとって、ステージでもテレビでも、言葉をファンに届けることは仕事の一部。

しかも今回は、ファンクラブの会員、つまりいちばん近くで支えてきた人たちに向けた文書でした。

その1行目が、自分たちのショックだった。

「アイドルとしての自覚が足りない」と感じてしまったのは、文章の上手い下手より、この順番のせいだと思います。

 

7人を責めたいわけではない

「メンバーだって突然知らされた側なのに」と思った人も、きっといるはずです。

その気持ちと1行目へのモヤモヤを、両方とも抱えたまま書かれたような言葉がありました。

オリメンというのは、Sexy Zoneのころからいる佐藤勝利・菊池風磨・松島聡の3人のこと。

責めたいわけではないけれど、選んだ側としての一言は聞きたかった。

ファンの本音は、たぶんこのあたりにあります。

 

ところが、7人自身の声は、まだ一度も届いていません。

20日の昼に放送された菊池風磨のラジオ『菊池風磨 hoursz』は、冒頭で「今日の番組は8月下旬に収録したものです」と断り、猪俣周杜の話題には触れなかったと報じられています。

収録済みの番組なので、それ自体は仕方のないこと。

ただ、ファンの手元にある7人の言葉は、いまのところあのファンクラブの文書だけということになります。

事務所は「当局の処分が確定し次第、猪俣の処分を正式に決定し公表いたします」としていて、それまでグループは7人で活動を続けるとのこと。

ファンクラブの文書も、「決まり次第、改めてお伝えさせていただきます」で結ばれていました。

処分が発表されるころに、7人がもう一度、言葉を出す場面が来るとみられます。

 

疑いをかけられているのは、7人の誰でもありません。

そして、いちばん傷ついているのは、けがをした女性です。

そのうえでファンが7人に求めていたのは、上手な言葉ではなく、自分たちもこの件の内側にいる、と言ってくれる一言だったのだと思います。

次のお知らせこそ、7人自身の言葉でファンに届くといいですね。