久保建英が2026年10月2日に結婚を発表し、お相手は女優の福原遥でした。

サッカーの専門サイト「ゲキサカ」はこのお相手を「女優」とだけ紹介していて、サッカーを長く取材してきたライターがこう反応しています。

アニメや朝ドラを見てきた人にとっては、彼女が小学生だったころからテレビで見てきたおなじみの顔です。

そして、福原遥の20年あまりの経歴をひとつずつたどっていくと、子役から順風満帆に育ったように見える彼女にも、落ちたらやめるつもりで受けたオーディションや、3回続けて届かなかった念願の大役がありました。

しかもその長い芸能生活のなかで、熱愛が報じられたことはただの一度もありません。


女優・声優・歌手の20年

女優の福原遥
引用元:研音 公式サイト(https://www.ken-on.co.jp/)
  • 名前:福原遥(ふくはら・はるか)
  • 誕生日:1998年8月28日/28歳(久保建英より3つ年上)
  • 出身:埼玉県
  • 身長:160cm
  • 所属:研音(芸能事務所)
  • 特技:料理
  • 仕事:女優・声優・歌手
  • 2005年:小学1年生で芸能の仕事を始める
  • 2009年〜2013年:NHK Eテレ『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』で主人公の柊まいんを演じる
  • 2012年:中高生向けのファッション雑誌『ピチレモン』の専属モデルを選ぶオーディションで、約9000人の中からグランプリ
  • 2017年:アニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』でキュアカスタードの声を担当
  • 2019年:本名で『未完成な光たち』を出して歌手デビュー
  • 2022年〜2023年:NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』のヒロイン
  • 2023年12月:映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が公開
  • 2024年3月:日本アカデミー賞 新人俳優賞
  • 2026年8月:主演映画『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』が公開
  • 2026年10月2日:久保建英との結婚を発表

サッカーとの縁でいうと、2016年にはサッカー雑誌『サッカーゲームキング』の表紙を、レアル・マドリードのユニフォーム姿で飾ったことも。

その3年後の2019年、18歳の久保建英が移籍したのが、まさにそのレアル・マドリードでした。

久保建英の歩みは、記事「久保建英伝説|福原遥を射止めた『スペックの高さ』が凄すぎる」にまとめました。


全400話を演じたまいんちゃん

福原遥の名前を全国に一気に広めたのは、2009年3月から2013年3月まで4年にわたって、NHK Eテレで月曜から金曜まで放送された『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』です。

主人公の柊まいんを演じ、アニメの場面では声をあて、実写の場面では自分で料理を作り、笑顔で歌って踊るという、まだ小学生の子どもにはかなり忙しい役でした。

番組が始まったとき、彼女はまだ10歳。

そこから小学生と中学生の時期を駆け抜けた4年で、放送は全400話。

番組の歌も人気になり、まいん名義で出したCD『キッチンはマイステージ』は、2009年にオリコンの週間ランキングで堂々の18位を記録したんです。

人の目も見られなかった人見知り

今のはつらつとした姿からは想像しにくいのですが、小学1年生で芸能の仕事を始めたころの福原遥は、人の目も見られないくらいの人見知りだったそうです。

17歳だった2015年のインタビューでは、「私は芸能界に向いてないんだろうなって思ってたんです」と振り返っていたほど。

じつはこの番組のオーディションを受ける前、彼女は本気で芸能界をやめることまで考えていて、「不合格だったら、もう芸能界をやめる覚悟でした」と2023年のインタビューで話しています。

オーディションの前に別の撮影が2か月ほど続いて、学校の授業に追いつけなくなっていたことが理由でした。

 

合格したあと、そんな人見知りだった彼女を変えたのが番組のスタッフで、放送が始まる前に、一緒にレッスンをしたりゲームをして遊んだりする時間をたくさん作ってくれたそうです。

「そうやって関係を築いてからのスタートだったので、初回放送からすごく楽しくできたんですよ」と話していて、テレビの中のあの満面の笑顔は、人見知りの小さな女の子が現場の大人たちと少しずつ心を通わせて生まれたものだったのでしょう。

その番組について彼女は、「お芝居、歌、声優も、ダンスも料理も、全部の楽しさをあの番組で教えてもらいました」と振り返っています。

 

泣いては練習した負けず嫌い

ただ、4年間ずっと順調だったわけではありません。

本人がいちばん鮮明に覚えているのは、初めてのアフレコ(アニメの絵に合わせて声を入れる収録)で、ベテランの声優たちの中、自分一人だけ全然うまくできなかった悔しい日だそうです。

「それが悔しくて、現場では泣かなかったんですけど、家に帰ったらわーっと涙が出てきて…」

『ピチレモン』の専属モデルも、自分からなりたいと言ってオーディションを勝ち抜いたのに、先輩たちのようにカメラの前でポーズが決められず、始めたばかりのころは悔しさからしょっちゅう泣いていたといいます。

それでも本人いわく、「できないことがあると燃えるタイプなので、泣き止んだら即練習って感じでした」。

学校の勉強でも、小学生のころに九九がなかなか覚えられず、必死に練習したことを今でも覚えているそうで、根っからの負けず嫌いなんですね。

 

大人になっても消さなかった「まいん」

大人の役が本格的に増えはじめた2019年には、インタビューで子役のイメージから抜け出したいかと聞かれて、「今でもまいんと呼ばれることに抵抗はまったくありません」と答えていました。

そのうえで、「『あのまいんちゃんが、こんなことをしているんだ』って、驚いてほしい」と続けていたんです。


嫌いだった声で続けた声優と歌

まいんちゃんで4年間声をあてていた経験は、その後の声優としての仕事にもしっかりつながっているのだと思います。

声優としていちばん知られているのは、2017年2月から1年間放送された『キラキラ☆プリキュアアラモード』の有栖川ひまり、変身するとキュアカスタードになる女の子の役です。

ほかにも、アニメの声の仕事はずっと続いています。

  • 2016年〜2017年:『なめこ〜せかいのともだち〜』主人公・なめこ
  • 2020年〜2022年:『かぐや様は告らせたい』シリーズ 子安つばめ
  • 2021年:アニメ映画『フラ・フラダンス』主人公・夏凪日羽

ところが本人は意外にも、子どものころは自分の声がコンプレックスで「すごく嫌い」だったとか。

「小さいころはもっと高くて、きんきんとした感じの声で、それがすごく嫌いでした」と2017年の取材で話していて、自分の声を好きになれたのは、ファンから声をほめられるようになってからだったといいます。

プリキュアの収録でも、気持ちが熱く入りすぎるとキャラクターの口の動きと声がずれてしまい、何度も録り直したと苦労を明かしていました。

さらに歌でも、2019年8月に本名の福原遥としてシングル『未完成な光たち』で歌手デビューしていて、この曲はアニメ『BORUTO-ボルト-』のエンディングテーマに使われています。

続く2020年のシングル『風に吹かれて』は、アニメ『かぐや様は告らせたい』シリーズの第2期『かぐや様は告らせたい?』のエンディング曲になり、デビュー曲『未完成な光たち』の26位を上回る15位までオリコンの週間ランキングで上がりました。


4度目でつかんだ朝ドラヒロイン

女優としてキャリア最大の転機になったのは、2022年10月から半年間放送された、NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)『舞いあがれ!』です。

東大阪の町工場で育った岩倉舞が、空を飛ぶ夢を追いかけていく物語で、福原遥はその主人公を演じました。

ヒロインの座は2545人の応募の中から勝ち取ったものですが、本人によると、朝ドラのヒロインのオーディションはこれが実に4度目で、それまでの3回は最終審査にも進めなかったそうです。

まだ20歳だった2019年のインタビューでは、将来の大きな目標を「30歳くらいまでに、朝ドラに出られたら」と話していたんですよね。

その目標をかなえたのは、わずか3年後の24歳のとき。

 

あこがれは井上真央だった

彼女が女優を目指す決定的なきっかけは、ドラマ『花より男子』で主人公のつくしを演じた井上真央で、2015年には「いつか井上さんみたいに演技で見せることができる、芯の通った女優さんになりたい」と話していました。

多感な中学生のころには、その井上真央がヒロインを務めた朝ドラ『おひさま』を見て、「太陽のような笑顔で困難があっても進んでいく姿に勇気をもらいました」とも語っています。

そこから生まれたのが、「いつか朝ドラに出て、同じように見ている方に関われたり、少しでも背中を押せたりできるようになりたい」という夢。

そんな朝ドラのオーディションで、ヒロインの名前が「舞」だと知ったときには、まいんちゃんとよく似た響きに「運命」を感じたそうで、「『運命』にしたい」と強い気持ちで臨んでいます。

ヒロインに決まったときのことは、「まさか……という気持ちでした。実感は湧かなかったけれど、涙が出ました」と振り返っていました。

 

左利きを右利きで通した撮影

大学の人力飛行機サークルで、ペダルをこいで機体を飛ばすパイロットを務める役のために、撮影に入る前からロードバイクの先生について坂道を走り込み、本当は左利きなのに、ドラマでは全編を右利きで通しています。

右手でこなせたのは、「昔、料理番組をやっていた時は右手でやったりしていたので、その経験が活かせた」からだそうです。

航空や町工場の専門用語だらけの長いセリフの暗記にも苦しんだそうですが、本人は「壁があると『負けたくない』と思えるタイプ。こんなに苦労できることが幸せだなと思っていました」と振り返っていました。

ひたむきな舞の姿には共演者も引き込まれていたようで、釣り客の役で舞を怒鳴りつけた俳優は、放送の日にこんな投稿をしています。

放送の真っ最中だった2022年の大みそかには、朝の顔としてNHK紅白歌合戦のゲスト審査員も務めたのです。


興収45億円の映画と祖母との夢

朝ドラを終えた2023年の12月には、主演映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が公開され、興行収入45億円のヒットになりました。

現代を生きる女の子・加納百合が、戦時中の1945年の日本へタイムスリップし、特攻隊員の青年と出会う物語。

この作品で翌2024年3月に日本アカデミー賞の新人俳優賞を受けたとき、彼女は授賞式の壇上で、誰よりも応援してくれた大好きな祖母が、受賞の少し前に亡くなっていたことを明かしています。

「小さい頃から、祖母といつかこのアカデミー賞という場に立てたらいいねと一緒に夢見ていた」と話し、2人で見ていた夢の晴れ舞台に、祖母はあと少しのところで間に合いませんでした。

それでも、亡くなる前に受賞を報告できて「本当に喜んでもらえたのが嬉しかった」と言葉を続けています。

 

2026年8月7日にはファン待望の続編『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』が公開され、前作の物語から7年後を舞台に、同じ百合の役で今度は高校の教師になった大人の姿を演じました。

公開からわずか14日で観客動員は100万人を超え、前作を上回るペース。

じつは同じ2026年の2月に公開された木村拓哉主演の映画『教場 Requiem』にも、福原遥は忍野めぐみ役で出ていて、この10本のうち4位と6位の2本に、どちらも彼女の名前が入っているんです。

映画だけでなく、2024年には8社のCMにも起用されていて、出る人のイメージがそのまま商品の顔になる仕事でも選ばれています。


熱愛報道ゼロを貫いた20年

多くの人が驚いたのは、2人の交際が、発表の日まで一度も報じられていなかったことです。

福原遥自身も、小学1年生で子役の仕事を始めてから一度も熱愛が報じられないまま、インスタグラムでいきなり結婚を報告しました。

「子役時代から、恋愛したい年頃も経て、ずっとずっとノースキャンダルで」と、スキャンダルを出さずにいてくれた20年分のお礼を言うファンまでいます。

 

誘惑の多い華やかな芸能界で20年あまりも何もなかったと聞くと、よほどプライベートを我慢してきたのだろうと、つい思いたくなりますよね。

本人がインタビューで我慢について話したことはありませんが、大人になってもまいんちゃんと呼ばれ続けることを自分で前向きに受け入れてきた人だと考えると、無理な我慢というより、まいんちゃんを見てきた人たちをがっかりさせない生き方を、ずっと選んできたように思えてきます。

もちろん、守ってきた事務所や周りの人の力もあったと思いますが、それでも一緒に仕事をした人がまず口にするのは、本人のまじめさです。

そのまじめさは、共演者からもらった言葉の扱い方にも出ていて、2019年のドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』では、先生役の菅田将暉が、撮影の最後に生徒役の全員へ、手書きのメッセージ入りのポストカードを渡しました。

福原遥はそのカードをお守りのように台本にはさんで持ち歩いていて、「私のいいところについて書かれていて、それを読むと、『そうだ。頑張ろう』と自然に力が湧いてくるんです」と話しています。

朝ドラの放送中だった2023年2月のインタビューでも、あれだけの熱演を見せながら、自分の演技には「まだまだ自信が持てません」と答えていたほど。

撮影現場ではスタッフへの笑顔のあいさつを誰に対しても欠かさず、取材中に虫が出てきたときには、嫌がるどころか自分からティッシュを手に取って手伝い、虫が無事だと分かると「よかった~!」とほっとしていたそうです。

 

「彼女にしたい友達No.1」

2017年の青春映画『チア☆ダン』で共演してから大親友になった俳優の富田望生は、2021年に福原遥のことを「気が遣えるし、料理上手だし、ホワンとしてて癒される。彼女にしたい友達No.1」と話しています。

2人はプライベートでも「みうたん」「はるぴょん」と呼び合う仲で、忙しい合間を縫って週に3回ほど会っていた時期もあったそうです。

同じころ、2021年のドラマ『教場II』で福原遥を撮った中江功監督も、「おっとりしたお嬢様のような雰囲気なのに、実は負けず嫌いで芯がしっかりしており、表現に対してとても真面目に向き合ってる人」と評しています。

今回の結婚報告のインスタグラムにも、『チア☆ダン』で主演した広瀬すずが「おめでとうすぎる」、富田望生が「わたしまで幸せ」と祝福のコメントを寄せていて、映画の共演から10年近く続く友情がそのまま見える形になりました。

 

「5年後は結婚していたい」

そんな素顔は、ファン向けの動画にも出ていて、2020年に自分のYouTubeチャンネルで公開した〈100の質問〉の動画では、どの質問に何分何秒で答えたかを100問ぶん全部、説明欄に丁寧に書き出していて、見た人から「親切すぎる」と驚かれたほどです。

その動画で、恋愛観として異性にグッとくる瞬間を聞かれたときの答えは、「目がなくなるくらいクシャって笑った時」。

その後に公開した同じ企画の動画では、「5年後の自分は?」という質問に、照れくさそうな笑顔で「結婚していたい…」と答えていて、結婚の発表のあとにこの場面がまた広まっています。

 

朝ドラの目標を語った2019年のインタビューでは理想の男性のタイプも聞かれていて、「優しくて、他人の気持ちがわかる人。何かに一生懸命頑張っている人」と答えていました。

その7年後に人生の伴侶として選んだのが、10歳でスペインへ渡ってから、サッカーひと筋に打ち込んできた日本代表の久保建英だったわけですね。

子役から20年あまり、浮いた話ひとつ出さずに仕事を積み重ねてきた人が、初めて自分から明かした相手なので、これ以上ないほど素敵なゴールインですよね。