「YouTubeから正式に通知をいただき、YouTubeパートナープログラムへの参加が再び承認されました」

2026年11月4日、家族系YouTubeチャンネル「しょうやん男三兄弟」の父親・しょうやんが、動画でこう報告しました。

食べ物を投げた息子に「消えろ!」と怒鳴る場面などが広まり、子どもを強い言葉で叱る姿まで動画にしてきたと、批判を浴びてきたチャンネルです。

YouTubeからは収益化を止められ、10月24日には、もう一度認めてもらうための審査にも通らなかったと報告していました。

却下の報告からわずか11日後の「復活」の報告に、ネットでは「なんで復活できるん?」と首をかしげる声があふれています。

 

収益が止まっていたあいだはDMMの有料サロンで動画を出していて、「結局はお金のためでは」という目が向けられていた最中でもありました。

10月28日には、ABEMAの報道番組で、その有料サロンのことを実業家のひろゆきに問い詰められています。

同じ家族の、同じチャンネルなのに、なぜ10月はダメで11月はよかったのか。


3カ月後のはずが11日で復活

「え、3カ月後じゃなかったの?」と思った人は多いはずです。

しょうやん男三兄弟は、父親のしょうやんと母親、3人の息子による家族のチャンネルで、登録者は62万人。

2024年4月には「消えろ!」の場面が切り取られて広まり、J-CASTニュースなどが叱り方の激しさを取り上げていました。

YouTuberのニュースサイト「ユーチュラ」の報道によると、収益が止まったことなどを理由に、2026年9月12日にはYouTubeでの活動をやめる「引退」を発表していたそうです。

収益化を止めた理由としてYouTubeが示したのは、「未成年者の意に反して注目を浴びることを促すコンテンツ」という判断。

そこで10月13日には過去の動画2200本を消し、もう一度審査を申し込んでいます。

ところが10月24日の動画で、同じ理由で認められなかったと報告し、「もう次やって無理やったらやっぱ厳しい」と、3カ月後の申し込みを最後の挑戦と位置づけていました。

ここまでの流れは、Xでもこうしてまとめられ、大きく広まっていたんです。

収益化が止まった理由や、DMMの有料チャンネルを始めたいきさつは、こちらにまとめています。

収益化の再審査の結果を報告するしょうやん男三兄弟の水彩画
しょうやん男三兄弟の「大激怒動画」も有料に?誰が見るのか問題登録者62万人の家族系YouTubeチャンネル「しょうやん男三兄弟」が、収益化の再審査でもYouTubeに認められませんでした。 理由と...

 

3カ月という数字には、裏づけもありました。

YouTubeの公式ヘルプでは、2回目以降の不承認のあとに申し込み直せるのは、不承認のメールを受け取ってから90日後とされています。

それが11月4日の動画では、その3カ月を待たずに承認されたという報告に変わりました。

しょうやんは「ポリシーを守った上で活動していれば期間が関係なく承認されることがあるようです」と話していますが、どんな手続きを経て承認されたのかは明かしていませんし、YouTubeも個別のチャンネルの判断の理由は公表していません。

 

11月4日の動画では、収益化のほかにも3つの報告がありました。

  • DMMの2つの有料サロン(月1100円の「保護者の会」と月550円の「思い出(お蔵入り)ch」)は11月1日で終了。会費は返金
  • 番組のあとに広まった「成人向けの動画サイトで子どもの動画を」という話は否定。使っていたのは会員制のDMMオンラインサロン
  • 「等身大での姿を投稿していくことは今の時代にそぐわない」として、過去動画の公開の基準も見直す

本人のXでも、同じ日にこう告知しています。

笑う日も大げんかの日も、父親が怒る日もそのまま見せてきた「等身大」の動画を、6年続けた本人がやめると言った報告でもありました。


10月と11月で入れ替わっていた動画

それでも、いちばんモヤモヤするのはここですよね。

YouTubeが理由を明かしていない以上、決め手を言い当てることはできません。

ただ、10月と11月とで、はっきり違っていたことが1つあります。

審査のときにチャンネルに並んでいた動画そのものです。

YouTubeのヘルプには、審査担当者はすべての動画を確認できるわけではないので、審査ではチャンネルの次のような部分が重視されることがある、と書かれています。

  • 主なテーマ
  • 再生回数の多い動画
  • 最新の動画
  • 総再生時間の最も多くを占める部分
  • 動画のタイトル・サムネイル・説明
  • チャンネルの「概要」

10月の審査のとき、チャンネルにはまだ、10月13日に2200本を消した際に問題がないと判断して残した過去の動画10本がありました。

その10本も、10月24日の却下を受けて「これもいけないってことです、簡単に言うと」と削除。

ユーチュラの報道によると、YouTubeに出していた過去の動画はこれですべて消え、代わりに大人が一緒に出て子どもと撮った動画を、毎週土曜の18時に1本ずつ出していく方針に切り替えたとのこと。

つまり、11月の時点でチャンネルに残っていたのは、6年分の過去の動画ではなく、10月15日以降に出した新しい動画だけだったんです。

承認が出たのは、怒鳴る場面の入った動画がチャンネルからひとつ残らず消えたあとでした。

 

動画の外でも、同じ向きの変化が起きています。

10月24日の時点でしょうやんは、「等身大の喧嘩や涙」のような「激しめの内容」は、これからもDMMのサロンだけで出していくと話していました。

そのDMMのサロンも、承認の報告より前の11月1日に終えています。

YouTubeは決め手を明かしていませんが、11日で戻った理由としていちばん確かに言えるのは、10月に「ダメ」と言われたチャンネルと11月に通ったチャンネルとでは、名前は同じでも中身がまるで違っていた、ということですね。


通報で白紙に戻せるのか

「なんで?」と並んで多く見かけたのが、この声でした。

同じ返信の欄には、こんな声も。

あの場面を見てしまったら、黙っていられない気持ちになるのも無理はありません。

 

ただ、YouTubeの公式ヘルプには、こう書かれています。

「報告されたコンテンツが自動的に削除されるわけではありません」

審査チームが違反を見つけなかった場合は、報告の数にかかわらず動画はそのまま残る、とも。

通報の数で、承認が白紙に戻る仕組みにはなっていないわけです。

気持ちが分かるだけに、ここは少しもどかしいところですよね。

 

とはいえ、一度通れば終わり、というわけでもありません。

同じ収益化ポリシーには、審査担当者が収益化しているチャンネルを「定期的に確認しています」とあり、YouTubeの内外で視聴者や広告主を尊重することもクリエイターに求められています。

これから毎週土曜に出ていく動画も、出るたびに同じ物差しで見られ続けるということ。


審査に映らない三兄弟の本音

子どもが怒鳴られる場面を一度でも見てしまった人ほど、今回の承認には納得がいかないと思います。

「良しとするのか」という問いは、そのまま「通報だろ」という怒りにもつながっていて。

動画は消えても、あの場面を見た記憶まで消えるわけではありません。

父親の側にも、言い分はあります。

ABEMAの番組では、子どもの写真や動画でスマホの容量がいっぱいになったのをきっかけに、成長の記録として始めたと話し、収益は3人分の将来の学費として貯めていると強調していたとのこと。

11月4日の動画では、子どもたちはいまもYouTubeが好きで、続けたいと言っているので、その気持ちは大切にしたいと話しています。

そのうえで、「子どもたちは親に気を遣って本当の気持ちを言えないのではないか」という声が数多く届いていることにも、自分から触れていました。

 

ここで、YouTubeが2回の却下で示した一文を、もう一度読んでみます。

「未成年者の意に反して注目を浴びることを促すコンテンツ」

問われていたのは、最初から子どもの「意」でした。

動画は、消せば入れ替えられます。

でも、カメラの前の子どもが本当はどう思っているかは、どんな審査でも画面からは確かめられないんです。

 

10月28日の番組でひろゆきは、DMMに活動の場を移したことについて「子どもがDMMなんか知ってるわけないじゃないですか」と指摘し、しょうやんは「家族入れてちゃんと話し直そうと思います」と答えていました。

本人も11月4日の動画で、「収益が再開されたからと言って、それで全ての問題が解決したとは思ってません」と話しています。

最後に語ったのは、「子どもたちが安心して楽しめること、そして大人になったときにこの活動をしていて良かったと思えることを大切にしていきます」という言葉でした。

11日で戻った収益化にモヤモヤが残るのは、YouTubeが確かめられるのは動画までで、三兄弟の本音までは確かめられないからなのかもしれませんね。