日本テレビ系のドラマ『俺たちの箱根駅伝』で、俳優の村上虹郎さんの出演シーンがお蔵入り(撮ったのに使われないこと)になっていたと、2026年10月21日に週刊女性PRIMEが報じました。

村上さんが演じる予定だったのは、第3話から登場する強豪校のエースで、“悪童”と呼ばれる選手の役です。

シーンは2026年の春にはもう撮り終えていたそうで、日テレは俳優の細田佳央太さんを代役に立てて、撮り直していたといいます。

週刊女性によると、理由は2026年6月に報じられた、傷害の疑いでの書類送検(逮捕はせずに、警察が事件を検察へ送ること)でした。

差し替えにはうなずけても、撮り終えたシーンを、6月の報道のあともしばらく残していたのはなぜなのか。


村上虹郎のプロフィール

名前 村上虹郎(むらかみ・にじろう)

生年月日 1997年3月17日(29歳)

出身 東京都

所属事務所 ディケイド

家族 父は俳優の村上淳さん、母は歌手のUAさん

デビュー 2014年の映画『2つ目の窓』(河瀬直美監督・17歳で主演)

デビューのあとは、高校の吹奏楽部を描いたTBSのドラマ『仰げば尊し』(2016年・不良生徒の役)、『この世界の片隅に』(2018年)、NHKの朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(2021年)と、話題作に次々と出てきました。

映画では『孤狼の血 LEVEL2』のような、荒っぽい若者の役も多く演じています。

“悪童”と呼ばれる駅伝選手の役も、こうした不良や荒っぽい若者と同じ、とがった若者の役でした。


お蔵入りになった“悪童”の役

『俺たちの箱根駅伝』は、池井戸潤さんの小説が原作で、2026年10月10日から土曜の夜9時に放送されています。

箱根駅伝の中継を成功させようとするテレビ局の人たちと、予選会で出場を逃した大学の選手を集めた「関東学生連合チーム」の挑戦を描く話です。

主演の大泉洋さんは、テレビ局で箱根駅伝の中継を仕切るチーフプロデューサーの徳重亮を演じています。

山下智久さんの役は、明誠学院大学の新監督で、学生連合チームを率いる甲斐真人です。

学生連合はオープン参加(順位のつかない形での出場)で、走っても記録には残りませんが、第2話で甲斐はそれでも3位以上を目指すと宣言しました。

 

週刊女性によると、村上さんが出る予定だったのは、前回の優勝チーム・東西大学のエース、安愚楽一樹という役です。

東西大学の監督・平川庄介を演じるのは山本耕史さんで、選手時代に箱根駅伝で甲斐に抜かれた過去を持つ人物として描かれています。

3位以上を狙う学生連合にとって、前回の覇者・東西大学は真っ先に立ちはだかる相手になります。

日テレにとっても、このドラマは、番組づくりに関わる制作会社の関係者が「社運を懸けた」と話すくらい力を入れた作品でした。

制作の発表から1年かけて宣伝してきたうえ、制作費は1話あたり6,000万円とも報じられ、日テレのふつうの相場の倍だといいます。

そこへ、撮り終えた場面を、別の俳優を立ててもう一度撮らなければならなくなりました。


6月に報じられた書類送検の中身

村上さんが当時交際していた女性が、この件でけがを負っています。

報道によると、2026年6月下旬、警視庁は村上さんを傷害の疑いで書類送検しました。

2024年3月から5月にかけて4回、東京・渋谷区の自宅で、女性の髪の毛をつかんで頭を窓にたたきつけたり、顔を殴ったりして、全治1か月以上のけがをさせた疑いです。

2026年に入って女性から相談を受けた警視庁が調べを進めていたと伝えられています。

村上さんは任意の事情聴取に「ケガをさせたことは間違いない」という趣旨の話をして、疑いを認めていると報じられました。

 

所属事務所と本人は、それぞれ6月のうちに謝罪の言葉を出しています。

 

書類送検のあと、裁判にかける(起訴)か、かけない(不起訴)かを決めるのは検察です。

しかも、いつまでに決めるという期限はありません。

同じ書類送検でも、俳優の吉沢亮さんは、酒に酔ってマンションの隣の部屋に入った件で、2025年に送検から数日で不起訴になりました。

お笑いコンビ・ジャングルポケットの元メンバーの斉藤慎二さんは、女性への不同意性交などの疑いで、2024年10月の送検から約5か月半たって在宅起訴(身柄を拘束されないまま起訴されること)されています。

処分がいつ出るかは、送検された本人にも、一緒に仕事をする周りの会社にも、前もって読めないんです。

 

6月の報道のあと、2023年の休養について、ネットでは「休養はメンタル不調ではなく不祥事隠しだったのでは」という声も上がりました。

村上さんは2023年3月、舞台『エヴァンゲリオン ビヨンド』を「心身の不調」で降板し、休養に入っています。

そして2023年8月には、映画『東京リベンジャーズ2』の舞台あいさつで人前に戻りました。

疑いがかかっているのは2024年3月から5月の出来事なので、休養はその1年ほど前に始まり、半年足らずで終わっています。

2023年の休養が2024年の件を隠すためだった、という話とは時期が合いません。

休養の理由について分かっているのは、発表された「心身の不調」という言葉だけです。


事務所が書いた「問題行動」という言葉

6月26日に所属事務所のディケイドが出したコメントは、短いものでした。

「現在報道されているようにかつて交際していた女性との間にトラブルがあったようです。現在も事実確認をしているところですが、女性の問題行動を止めた際の言動が過剰になってしまったとのことです。今後の活動については、これから協議をしてまいります。本人も反省しております。この度は大変申し訳ございません。」

トラブルは「あったようです」、問題行動を止めたときの言動が過剰だったのは「とのことです」。

どちらも、事務所が自分で確かめた事実ではなく、誰かから聞いた話として書かれています。

しかも同じコメントの中で「現在も事実確認をしているところ」と書いているので、事務所自身もまだ確かめきれていなかったわけです。

まだ確かめきれていない話なのに、その中で女性の側の行動だけは、「問題行動」という言葉で書かれていました。

 

この「問題行動」という1語には、ネットでもすぐに「どういう状況?」という疑問が出たと、東スポWEBが伝えています。

Xには、「暴れる彼女だったのかな」と一度は受け取りながら、「まあアウトなんだけどね」と書いた人もいます。

女性の側に事情があったのかどうかが分かるものは、いまのところ、事務所が聞いた話として書いたこの一文しかありません。

反対に、全治1か月以上のけがと、本人が「ケガをさせたことは間違いない」と認めていることは、捜査関係者の話として報じられています。

スポーツ紙の芸能記者がFRIDAYで「女性側にも一定の問題があるかのようなコメントを出したのは悪手」と話したのも、事務所が女性の「問題行動」だけを書いたこの点でした。

 

2日後の6月28日、村上さん本人はインスタグラムに、日本語と英語で謝罪の文章を載せています。

「この度は、関係者及び、ファンの皆様に多大なるご心配、ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。私は、自分を大切にしてくださる皆様の為にも、近い将来、自身の言葉で当時のことをお話しさせていただければと思っております」

本人の文章には、「問題行動」という言葉も、女性の事情も出てきません。

何があったのかは「近い将来」に「自身の言葉で」話すと書いていて、いまの時点では、本人はまだ話していません。

謝る相手として書かれているのは「関係者」と「ファンの皆様」で、けがをした女性に向けた言葉は、この文章の中にはありません。


不起訴を待っていた日テレの事情

日テレの関係者は、週刊女性にこう話しています。

「不起訴になればそのまま放送することも検討していました。ところが、なかなか起訴か不起訴かの知らせがこない。スケジュール的に限界がきてしまったため、細田佳央太さんを代役にして撮り直したそうです」

東西大学が出てくる第3話の放送は10月24日で、撮り直しはその前に終えなければなりませんでした。

 

出演者の逮捕で役が代役に替わったドラマは、この7年ほどのあいだに、NHKの大河ドラマだけでも3本あります。

  • 『いだてん』(2019年放送)=2019年3月のピエール瀧さんの逮捕を受けて、三宅弘城さんが代役に
  • 『麒麟がくる』(2020年放送)=2019年11月の沢尻エリカさんの逮捕から5日後に撮り直しを発表し、川口春奈さんが代役に
  • 『光る君へ』(2024年放送)=2023年の永山絢斗さんの逮捕のあと、出演予定だった役を竜星涼さんが演じることに

どれも出演者が逮捕され、大きく報じられたあとの差し替えでした。

関係者の話のとおりなら、日テレは撮った場面を手元に残したまま、報道のあとも検察の判断を待っていたわけです。

 

週刊女性が日テレに確認したところ、答えは「番組制作過程の詳細につきましては、従来、お答えを控えさせていただいております」でした。

日テレは、村上さんが出る予定だったこと自体も、まだ認めていません。

番組の公式サイトのキャスト紹介を見ても、安愚楽一樹の役は載っておらず、村上さんの名前も細田さんの名前もありません(10月21日時点)。

役そのものが発表されていなかったので、日テレは村上さんの名前を一度も表に出さないまま、役を差し替えられたわけです。

裁判の日程を気にする声もありますが、その前の、裁判にかけるかどうかの判断もまだ出ていません。

 

では、不起訴になっていれば、撮った場面はそのまま放送できたのか。

検察庁によると、不起訴には「犯罪の嫌疑がない」「嫌疑が不十分」「起訴を猶予する」などの種類があります。

このうち起訴猶予は、罪の重さや事件のあとの事情などを考えて、裁判にかけないことにする判断で、疑いが晴れたという意味とは違います。

同じ10月21日には、人気グループtimeleszの元メンバー・猪俣周杜さんが、傷害の疑いで不起訴(起訴猶予)になりました。

ただ、所属していたSTARTO社は、その前の9月30日付で契約を解除しています。

2016年には、強姦致傷の疑いで逮捕され、不起訴で釈放された俳優の高畑裕太さんの出演部分を、テレビ東京がカットしたまま再放送したと報じられました。

これまでの例を見ると、不起訴になっても、仕事や撮った場面が元どおりになるとはかぎりません。


細田佳央太が村上虹郎の穴を埋めるのは2回目

名前 細田佳央太(ほそだ・かなた)

生年月日 2001年12月12日(24歳)

出身 東京都

所属事務所 アミューズ

主な作品 映画『町田くんの世界』(2019年・主演)、TBSのドラマ『ドラゴン桜』(2021年)、NHKの大河ドラマ『どうする家康』(2023年・松平信康役)

細田さんは子役のころから活動していて、2019年の映画『町田くんの世界』で主演に選ばれて知られるようになりました。

『ドラゴン桜』のシーズン2では、東大を目指す生徒の1人を演じています。

10月16日に本人のXでカレンダーの発売を知らせた投稿には、いまの細田さんの姿が写っています。

2026年6月、テレビ東京は、伊藤潤二さんの漫画をもとにしたドラマ『ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-』で、7月3日に予定していた村上さん主演の第1話の放送と配信を見送りました。

話ごとに主演が替わるドラマで、村上さんの回が抜けた枠に第1話として繰り上げて放送されたのが、細田さんが主演する回でした。

夏は役を引き継いだわけではありませんが、村上さんが外れたところへ細田さんが入るのは、秋の『俺たちの箱根駅伝』で2回目です。

そして今回は、村上さんが演じるはずだった役そのものを細田さんが引き継いでいます。

 

この秋の細田さんは、芦田愛菜さんが主演するドラマ『南田南弁護士は天才肌』にも出ていて、そのうえで“悪童”の撮り直しも引き受けています。

 

ただ、細田さんが知られてきたのは、『町田くんの世界』の人の良い高校生や、『どうする家康』で演じた家康の長男・松平信康のような、まっすぐな役です。

周りに悪態をつく“悪童”は、これまでの細田さんとは正反対の役どころです。

24歳の細田さんは、29歳の村上さんより5歳若く、大学生のエースという役の年齢にも、そのぶん近いんです。


村上虹郎のほかの出演作と仕事

村上さんは、2026年3月にNHKのBSP4Kで放送された日本とシンガポールの共同制作ドラマ『ロスト・アンド・ファウンド~君を探して』にも出ていて、地上波(ふつうのテレビで見られる放送)で見られる日を待っていたファンもいます。

山田杏奈さんとシンガポールの俳優ショーン・ティアさんが主演の全6回です。

BSP4Kは、4K放送を受けられるテレビかチューナーがないと見られないチャンネルです。

 

作品の外でも、6月の報道のあと、村上さんが役員(CBO)を務めていたeスポーツチーム「UNLIMIT」は7月1日付で契約を終え、TOKYO FMのポッドキャスト番組『模索ラジオ 村上虹郎』も終わりました。

 

報道どおりなら撮り直しは終わり、第3話からは細田さんが“悪童”として走ることになります。

Xには「代役、割といい人選」という声も出ています。

ただ、作品の穴は埋まっても、村上さん本人の言葉の中に、けがをした女性へ向けたものは、まだ見当たらないままですね。