2026年10月1日の昼すぎ、YouTuberのヴァンビが逮捕されたというニュースが流れました。

疑いの中身は、六本木のクラブで20代の女性の下半身を触ったというもの。

ところがネットで飛び交ったのは、ヴァンビ本人よりも、別の人の名前でした。

溝口勇児は、格闘技イベント「BreakingDown」の運営に深くかかわってきた実業家で、ヴァンビと一緒に会社を立ち上げたビジネスパートナーでもあります。

 

このわずか半月だけでも、溝口勇児が手がける番組「LAST CALL」で審査役をしていた六本木の人気キャバ嬢のヤマトリノが、コカイン所持の疑いで逮捕されています。

ゾンビたばこ(指定薬物の成分を含む電子たばこ)の事件をめぐっては、溝口勇児と同じ写真に写っていた選手を含む広島カープの4選手が、ヴァンビの逮捕と同じ10月1日に、来季の契約を結ばない「戦力外」を告げられました。

笑う人も、あきれる人も、口をそろえて言ったのが「また溝口界隈か」でした。

ヴァンビとはどんな人で、溝口勇児とはどうつながっていたのか。

そして、なぜ溝口勇児のまわりでは、これほど逮捕者の名前が並んでしまうのか。

ヴァンビは迷惑防止条例違反の疑い

TBSの報道によると、ヴァンビこと白井竜樹容疑者(36)が逮捕されたのは、10月1日の午前4時前のことです。

港区六本木のクラブで20代の女性の下半身を触ったとして、東京都の迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。

このときヴァンビは酒が入った状態だったとみられ、通報で来た警察官にその場で逮捕されたと報じられています。

 

本人が容疑を認めているかどうかは、10月1日の午後になってもまだ報じられていません。

所属する太田プロダクションの答えは、「現在、事実を確認中です」のひと言。

触られたとされる女性が、その後どうしているのかはまだ伝わっていません。

速報には、こんな声も。

ヴァンビの経歴とスパイダーメーン

  • 活動名:ヴァンビ(VAMBI)
  • 本名:白井竜樹(報道による)
  • 年齢:36歳
  • 所属:太田プロダクション
  • 会社:株式会社HERO’ZZ(ヒーローズ)代表取締役社長
  • 代表的なチャンネル:Spider-VAMBI(旧スパイダーメーン)

もとはヴィジュアル系バンド「LOG」のボーカルで、2016年にバンドが解散したあと、YouTubeへ活動の場を移しました。

2018年には、元アイドルのゆんと男女コンビ「ヴァンゆん」を組み、2人のチャンネルで一気に知られるようになります。

人気を博したそのコンビも、2023年9月に正式に解散。

 

コンビの活動のかたわら、2022年に始めたのが、スパイダーマンの衣装で顔を隠して出演するチャンネル「スパイダーメーン」です。

顔を出さないまま海外の視聴者に向けたショート動画を出し続け、開設から374日で登録者1000万人という、当時の日本人最速の記録を作りました。

ヴァンビの歩みを振り返るポストも、すぐに出回りました。

このポストで「YouTube大学」と呼ばれているのが、1000万人の記録を打ち立てたあとにヴァンビが始めたSNSの学校です。

ヴァンビと溝口勇児の関係

2024年4月2日、ヴァンビの会社HERO’ZZは、その学校をオンラインで5月7日に開くと発表しました。

ヴァンビが学長を務め、1000万人に届いたやり方を「バズ学」としてまとめて教える、という触れ込みです。

その発表で、ヴァンビの肩書きは代表取締役社長。

そして溝口勇児の肩書きは、HERO’ZZの「取締役会長」と書かれていました。

 

逮捕の当日に出たネットの記事も、2人がHERO’ZZを二人三脚で立ち上げ、社長と会長としてSNSの学校を運営したと伝えています。

逮捕の第一報を見て、学校のことや、溝口勇児とYouTube番組で絡んでいたことを思い出した人もいました。

今回の逮捕について、溝口勇児やHERO’ZZからのコメントは、10月1日の午後の時点ではまだ報じられていません。

ヴァンゆん時代を知るファンの声

逮捕を知ったファンが思い出していたのは、ここ数年より前のヴァンビでした。

「アニメ飯を再現してた時の方が好きだった」「ヴァンゆん時代が好きだった」と、昔の姿を思い返す声が並んでいます。

派手なビジネスを始める前の、バンド時代や、料理や企画に体当たりしていたころのヴァンビです。

 

その一方で、昔を懐かしみながら、触られた女性のことを気にかける人もいました。

バンド時代から追ってきた人も、「ログの時から好きだったけど さすがに女の子の下半身を触っちゃダメ」と書いています。

「子供の頃よく見てたYouTuber」という声まで。

ファン以外が持ち出した過去の騒ぎ

ファンではない人たちの投稿には、ヴァンビの過去の騒ぎを持ち出して「やっぱり」と受け止める声が並びました。

前兆のように持ち出されていたのは、たとえばこんな出来事。

  • 2021年12月:相方のゆんに中身を知らせないまま「登録者250万人で結婚する」生配信を行い、批判を浴びて謝罪
  • 2025年4月:ヴァンビが開いた飲み会で、テキーラを浴びせられたなどと、女性インフルエンサーが配信で告発(ヴァンビ側からの説明はなし)
  • 2025年12月:自分の番組の注目度を上げるためなら「叩かれようが炎上しようがそれらを全うする責務がある」とXに書き、のちに削除
  • 2026年7月:暴行被害を受けた女性の映像をAIで加工し、自分が助けに入るヒーローのように描いたとみられる動画を投稿して批判を浴びる

「溝口界隈」の逮捕者と炎上者

Xには、逮捕や騒ぎを並べて「溝口勇児は何者なんだよ」と書いたポストも出回りました。

報道で確かめられる逮捕と書類送検は、不起訴や否認のものも含めて11件。

そのうち大半を占める7件は、BreakingDownの出場者と元代表の件です。

  • 2023年7月 傷害の疑いで逮捕されたBreakingDownの出場者に、運営が無期限の出場停止を発表
  • 2024年3月 大阪でBreakingDownの出場者を含む5人が、恐喝などの疑いで逮捕
  • 2024年9月 BreakingDownの創業メンバーで元代表の人物が、詐欺の疑いで逮捕(代表だった2020〜2022年の件で、2023年には運営を離れていた)
  • 2025年6月 溝口勇児とのトラブルで2025年2月に謝罪し、活動をやめると発表していた暴露系インフルエンサー(他人の秘密や個人情報をさらす投稿で知られる人)が、恐喝の疑いで逮捕
  • 2025年9月 BreakingDownに出場していた韓国籍の格闘家が、金の密輸にかかわった関税法違反の疑いで逮捕
  • 2025年11月 BreakingDownの出場者が、傷害の疑いで逮捕
  • 2026年4月 BreakingDownの出場者が、交際相手への殺人未遂の疑いで逮捕(のちに不起訴)
  • 2026年7月 BreakingDownに出場していたインフルエンサーが、17歳の女性への不同意性交未遂の疑いで逮捕(本人は否認)
  • 2026年9月15日 オーディション番組「LAST CALL」の審査役だったヤマトリノが、コカイン所持の疑いで逮捕
  • 2026年9月25日 広島カープの矢野雅哉と前川誠太が、ゾンビたばこをめぐって書類送検(2人とも否認)
  • 2026年10月1日 ヴァンビが現行犯逮捕

逮捕にまでは至らなくても、溝口勇児のまわりで炎上した出来事はこれだけあるんです。

  • 2025年12月 BreakingDownの前日計量で、出場者が平手打ちを受けて失神し、のちにくも膜下出血と判明(溝口勇児は「運営の責任はすべておれにある」と投稿)
  • 2026年3月 高市早苗首相の名前を思わせる暗号資産「サナエトークン」に溝口勇児がかかわり、首相が関わりを否定したことで、溝口勇児が謝罪
  • 2026年4月 YouTube番組で溝口勇児が、一般の人の年収をキャバ嬢がひと晩で稼ぐという趣旨の話をして話題に
  • 2026年5月 元BreakingDown選手のこめおの蟹ラーメン店で、国産を打ち出していたのに中国産と書かれた箱が映り込み、批判を浴びる
  • 2026年5月 LAST CALLの審査役のキャバ嬢(ヤマトリノとは別の人)が、出演者に糖尿病の治療薬をダイエット目的で「マンジャロ打ちな?」と勧め、のちに謝罪して活動休止
  • 2026年6月 溝口勇児らが手がけるYouTube番組「REAL VALUE」をめぐって、青汁王子こと三崎優太と暴露合戦に
  • 2026年6月 LAST CALLのイベントで、暴露系アカウントの脅しを理由にランウェイが中止され、全額返金
  • 2026年7月 ゾンビたばこを売っていた人物と、溝口勇児や広島カープの選手が一緒に写った写真が報じられる
  • 2026年8月 こめおの店が麻布十番納涼まつりで出した冷やし蟹ラーメンで、78人が食中毒の症状(9月に7日間の営業停止)
  • 2026年9月 ヤマトリノの逮捕のあと、LAST CALLなどの収録に予定していたフジテレビの湾岸スタジオが使えなくなったと報じられる

 

面白さと逮捕者は同じ根っこ

ここまで並ぶと、「さすがに多すぎでしょ」とツッコみたくなりますよね。

ただ、BreakingDownが面白いのも、逮捕者が出やすいのも、たぶん根っこは同じです。

BreakingDownは大会のたびにオーディションを開いていて、2022年11月の大会には約2,000人が応募し、書類と動画の選考を通った100人がオーディションに参加したと、スポーツ誌が伝えています。

新しい顔ぶれが次々に加わり、オーディションの動画で一気に顔と名前が知れ渡るので、そのうちの誰かが事件を起こせば「BreakingDown出場者」という目立つ肩書きつきで報じられます。

 

しかもBreakingDownは、ネットメディアでも、元不良や少年院を出た人にもう一度挑戦する場を与えるイベントとして紹介されてきました。

2024年3月に出場者の逮捕が続いたときには、BreakingDownを主催する格闘家の朝倉未来がXで「むしろ俺は更生している人数の方が多いと思っている」と反論しています。

ガチの喧嘩自慢や、ワケありの過去を持つ人が、本気でにらみ合うから面白い。

そのぶん、リングの外でやらかす人も出てくるわけです。

 

同じころ朝倉未来は「BreakingDownに出場した後、逮捕された選手は、今後出場停止にします」と宣言し、運営も無期限の出場停止を決めています。

それでも一覧のとおり、2025年以降も出場者の逮捕は止まっていません。

出場停止は、捕まったあとにリングから降ろすルールで、誰をリングに上げるかの基準まで変わったのかは、外からはわからないままです。

ただ、このわずか半月のあいだに相次いで逮捕されたヤマトリノとヴァンビの2人は、オーディションを通って舞台に上がったBreakingDownの出場者ではありません。

溝口勇児が経営に立つ番組と会社の、内側にいた人でした。

溝口勇児は何者かと言われる理由

溝口勇児の名前が出続けるのは、人の集まる場をいくつも持っているからでもあります。

  • BreakingDown:COO(最高執行責任者)として運営にかかわってきた
  • LAST CALL:キャバ嬢のオーディション番組を手がける
  • HERO’ZZ:ヴァンビと立ち上げた会社で、2024年の発表では取締役会長

そうした場に出た人が事件を起こしたり逮捕されたりするたびに、溝口勇児の名前も一緒に報じられてきました。

これだけ並んでも、溝口勇児本人は1回も捕まっていないどころか、違法なことをしたと報じられたことすらありません。

「もはや凄い」とまで言われるのは、このためです。

ゾンビたばこの写真が出たときも、溝口勇児の会社は「違法行為に関与した事実は一切ございません」と説明しています。

当時の騒ぎの流れは、「また溝口か…」と言われる理由は?ゾンビたばこ事件との関係や過去の騒動も整理で読めます。

 

炎上もまた、同じ顔ぶれのまわりで何度も起きています。

Xには「この凝りなさと、間違ってないから俺はやる!ってところが溝口界隈の特徴」と書く人もいますが、騒ぎと数字の関係は、LAST CALLの再生回数の数え方にも表れています。

LAST CALLの運営会社は2026年5月、番組の再生回数が開始から約4か月で10億回を超えたと発表しました。

発表によれば、その10億回に含まれるのは、本体のチャンネルだけでなく切り抜きや関連チャンネルの再生まで。

騒ぎが起きて切り抜きが回れば、その再生もまるごと10億回に乗っかる仕組みです。

 

今回逮捕されたヴァンビ自身は、炎上をこう教えていました。

2024年7月、専門職大学で開かれた「バズ学」の特別講義で、ヴァンビは「炎上しない人は売れないです」と語りました。

そのうえで「してはいけない炎上は、犯罪や第3者を巻き込むもの」と線を引き、炎上したときの謝罪動画は「白い服を着る、葬式のような空気を出す」とまで教えています。

炎上は売れるための通過点で、謝罪動画は見せ場のひとつ。

いまのSNSで数字を取ってきた人の、ある意味いちばん正直な教えだと思います。

笑えないのは、そのヴァンビにいまかけられている疑いが、本人が大学の講義で「してはいけない」と線を引いた、犯罪と第三者を巻き込む炎上のど真ん中だということです。

 

Xには「ヴァンビと溝口勇児 類は友を呼ぶです」と書く人も、「溝口本人は逮捕されないライン見極め上手いんだな」と皮肉る人もいます。

その一方で、こんな声も。

ただ、今回だけは、これまでと少し事情が違います。

今回捕まったのは溝口勇児の相棒

一覧に並んだ人と溝口勇児との距離は、人によってばらばらでした。

ヴァンビの逮捕と同じ日に戦力外を告げられたカープの4選手は、ゾンビたばこをめぐって書類送検された矢野雅哉と前川誠太、そして矢野とともに、ゾンビたばこを売っていた人物や溝口勇児との写真に写っていた小園海斗と田村俊介です。

球団の本部長は選手たちについて「白か黒かで言えば、白」としながら、調査の中で矛盾もあり「信頼関係を築くのが難しい」と説明しました。

書類送検すらされていない2人まで、写真と調査の食い違いで来季の契約を失ったわけです。

 

そして溝口勇児の側も、逮捕や騒ぎが起きるたびに、相手との距離を言葉にしてきました。

  • 2024年3月(BreakingDownの出場者らの逮捕):「心の底から100%彼らが悪いって思えていない」
  • 2025年6月(対立していた暴露系インフルエンサーの逮捕):「おまえにはあの時、人生やり直す機会を与えたのにな。残念だよ」
  • 2026年7月(ゾンビたばこの写真):「個人的に親しい関係にはございません」
  • 2026年9月(ヤマトリノの逮捕):「自分の快楽を優先し、周囲に迷惑をかける無責任な人を擁護するつもりはないよ」

かばうにしても突き放すにしても、どれも、出場者や対立していた相手、番組の審査役との距離を言葉にしたものです。

一覧の最後、ヤマトリノの逮捕のあとに溝口勇児がXに書いた言葉には、続きがあります。

「人には偉そうに講釈を垂れておきながら、自分は違法薬物に手を出すのか、という悲しみもある」

ヤマトリノに向けたこの言葉は、いま読み返すと、バズの学校で学長として炎上との付き合い方まで教えていたヴァンビに、そのまま刺さるブーメランです。

しかもヴァンビは、番組の審査役よりもさらに近い、溝口勇児と一緒に会社を立ち上げ、社長と会長として「バズ学」を売り出したビジネスパートナーでした。

結局、溝口界隈に逮捕者が多いのは、ワケありの人にも目立ちたい人にも同じリングを用意してきたからで、今回はそのリングを一緒に作ってきた相棒まで捕まった、という話なんですよね。