TWICEのリーダー、ジヒョ(JIHYO)が、2026年10月21日の昼に自分のインスタグラムへ直筆の手紙を載せ、21年間いたJYPエンターテインメントを離れると発表しました。

しかも、どこかの事務所へ移るのではなく、自分の会社「EMITHAUS(エミットハウス)」まで立ち上げての独立です。

2026年8月にJYPを離れたメンバーのジョンヨンとチェヨンに続いて、9人組のTWICEでJYPを離れるのはこれで3人目です。

「え、TWICEを抜けるの?」と一瞬ドキッとした人もいたと思います。

21年いたJYPを出て、なぜ自分で会社まで作ったのか。

そして、3人が続けてJYPを離れても、TWICEは続けられるのでしょうか。


ジヒョのプロフィール

名前 ジヒョ(JIHYO)

生年月日 1997年2月1日(29歳)

出身 韓国・京畿道九里市(キョンギド・クリ市)

グループ TWICE(リーダー・メインボーカル)

JYPに入った年 2005年(8歳で練習生に)

TWICEのデビュー 2015年10月20日

デビュー前に事務所でレッスンを受ける「練習生」の期間だけで、ジヒョはおよそ10年を過ごしました。

TWICEの前に準備していた別のグループのデビューがなくなってつらかったと、2017年のテレビ番組で本人が語ったとも報じられています。

2015年、JYPのオーディション番組『SIXTEEN』に出演したときには、社長のパク・ジニョンから体重とダンスを厳しく指摘され、「こうなったのは自分のせい」と答える場面が流れたと、韓国メディアが伝えています。

 

そのSIXTEENを勝ち抜いて、同じ年の10月にTWICEとしてデビューしました。

リーダーは、パク・ジニョンが「ほかのメンバーを引き立てるために自分を犠牲にできる人」というリーダー像を話したあと、メンバーどうしの匿名の投票で選ばれたと伝えられています。

 

2023年8月にはミニアルバム『ZONE』でソロデビューし、タイトル曲は「Killin’ Me Good」です。

アルバム名は、ジヒョを表す「Z」(本人のインスタのアカウント名も「_zyozyo」です)と「ONE」を合わせたもので、「ジヒョの1枚目」「ジヒョまるごと」という意味だと伝えられています。

2025年には、Netflixのアニメ映画『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』の曲「TAKEDOWN」を、ジョンヨン、チェヨンと3人で歌いました。

8歳から29歳までの21年、ジヒョはこれまでの人生のおよそ7割を、JYPで過ごしてきました。

その8歳の練習生が、29歳で自分の会社の看板を背負う。


インスタに載せた直筆の手紙

手紙は韓国語で書かれていて、スポーツ報知が伝えた日本語訳では、ジヒョはこう書いています。

「幼い頃から21年間共に歩んできたJYPとの旅路に、終止符を打つことになりました」

「長い間、そばにいてくださり、私を成長させてくださったJYPの関係者の皆様に、心から感謝申し上げます」

「今回の選択が、長い間共に歩んできたチームとの別れを意味するわけではありません」

「これからもメンバーたちと同じステージに立ち、私たちが共に作り上げていく時間を長く続けていきたいと思っています」

「私にとって、独立とは過ぎ去った時間に対する『区切り』というよりは、これからどう生きていきたいかという『選択』です」

TWICEのファン「ONCE(ワンス)」に向けては、「11年間」信じてそばにいてくれたことへのお礼を書いていました。

 

1つ目の「終止符を打つ」は、韓国語の原文では「마무리(マムリ)」という言葉です。

仕事や話を「締めくくる」「きれいにまとめる」というときの、やわらかい言葉で、日本のファンの訳では「一区切りをつける」となっていました。

「終止符」より、きれいに締めくくって次へ進む響きが、原文には近いのかもしれません。

もう1つ、5つ目の引用で「区切り」と訳されている語は、原文では「결론(キョルロン)」、つまり「結論」です。

ジヒョは、独立は過ぎた時間への結論というより、これからの選択に近いと書いています。

手紙のどこにも、JYPへの不満やトラブルをにおわせる言葉は出てきません。

 

ただ、決めるまでが軽かったわけではなさそうです。

2026年7月28日、ジヒョはファン向けのメッセージアプリ「Bubble(バブル)」に、「何でもないように話すのは、まだ気持ちがとても重くてうまくできない」と書いたと韓国メディアが伝えています。

何についての言葉かは伝えられていません。

同じ投稿では、「自分の人生の主人公として、賢く選ぶ」「TWICEというチームを心から愛している」とも書いていたと報じられました。

発表は、その3か月ほどあと、TWICEがデビュー11周年を迎えた10月20日の、ちょうど翌日でした。


8月に退所したジョンヨンとチェヨン

  • 2026年8月10日 ジョンヨンが退所を発表
  • 2026年8月13日 チェヨンが退所を発表
  • 2026年10月21日 ジヒョが退所と新会社の設立を発表

ジョンヨンは女優の仕事にも挑戦するため、直筆の手紙で退所を知らせ、女優の姉コン・スンヨンも所属する事務所「Varo Entertainment(バロエンターテインメント)」へ移りました。

移った先の事務所は、女優としての新しい挑戦を支えながら、グループの活動も続けられるようにすると説明しています。

ジョンヨン本人も手紙に、人生の中心であるTWICEは今のまま変わらない、という言葉を書いたと伝えられています。

チェヨンは14年いたJYPを離れるとSNSで発表し、ソロアルバムの名前でもある「LIL FANTASY(リル・ファンタジー)」の世界で音楽を続けたいと書きました(移った先の事務所は明らかにされていません)。

TWICEとしての活動も、今までどおり続けると約束しています。

 

ジョンヨンも、チェヨンも、ジヒョも、退所を知らせる手紙やSNSで、そろって「TWICEは続ける」と書いていたんです。

3人の退所は、JYPが再契約を協議していると答えた7月から、3か月のあいだに続きました。


事務所とTWICEは別々の契約

「事務所を辞めたのに、グループには残る」というのは、日本の感覚だと少し分かりにくいかもしれません。

韓国の芸能界では、事務所と歌手のあいだの専属契約は、国(公正取引委員会)が示す標準の契約書のひな形で長くても7年とされています。

TWICEもデビューから7年目の2022年7月に、9人全員がJYPと契約を結び直しました。

このときの契約の年数は公表されていませんが、4年後の2026年7月、JYPは韓国メディアの取材に「再契約について協議している」と答えています(7年より短い契約だったとみられます)。

 

契約を結び直すときには、ソロの活動の契約と、グループとしての活動の契約を、別々に結ぶこともできます。

グループとソロで会社を分けるやり方は、4人組の人気グループBLACKPINKが先にやっています。

2023年12月に4人ともグループの活動は事務所のYGエンターテインメントと続けると決め、ソロの活動はそれぞれ別の会社で始めました。

ジェニは母親と一緒に会社を立ち上げ、ジスも兄が関わる会社でソロの活動を始めたと報じられています。

TWICEの3人の契約の中身は公表されていませんが、3人とも自分の言葉で「TWICEは続ける」と書いています。

少なくとも本人たちの中では、事務所を出ることと、TWICEを抜けることは別の話です。

 

ちなみに、JYPの先輩グループGOT7は、2021年に7人全員が事務所を離れました。

このとき問題になったのが、「GOT7」という名前の権利(商標)をJYPが持っていたことです。

メンバーは2022年5月にJYPからグループ名の商標を買い取り、いまも「GOT7」として活動しています。

TWICEの名前の権利がどこにあるかは公表されていませんが、いまも6人がJYPに所属していて(契約の話し合いは続いています)、全員で出たGOT7とは形が違います。


自分の会社EMITHAUSを作った理由

新しい会社の名前「EMITHAUS」は、「放つ」「発する」という意味の英語「EMIT」と、ドイツ語で「家」を表す「HAUS」を合わせた形です。

移籍ではなく会社を作った理由について、ジヒョは手紙で、まだ見つけていない自分の可能性まで、この場所で自由に広げていきたいと書いています。

Kstyle(日本の韓流ニュースサイト)によると、会社はまずジヒョのソロ活動から始め、これから他のアーティストも見つけて迎え入れ、音楽やコンテンツの仕事に広げていく予定です。

BLACKPINKのジェニやジスのように家族が加わるのか、代表が誰なのかは、まだ伝えられていません。

 

ソロアルバムの『ZONE』にも自分を表す「Z」を入れていましたが、今度の会社の名前も、手紙の説明どおりなら、自分の中にあるものを外へ出すという意味です。

師のもとを離れることについては、茶道や武道のような日本の修業の世界に「守破離(しゅはり)」という言葉があり、教えを守り、破り、最後は離れて自分の形をつくる段階を表しています。

千利休の言葉と伝わる歌では「離るるとても本を忘るな」、離れても元の教えは忘れるな、と続きます。

ジヒョも、離れることを伝えたすぐあとに、JYPへの「ありがとう」を書いていました。


退所をめぐって出ている3つの説

「本当は何かあったんじゃないか」と気になっている人もいると思います。

ネットに出ている見方は、大きく分けて3つです。

 

1つ目は、JYPとの関係がこじれたという説です。

海外のファンのあいだでは2026年2月、TWICEのメンバーのツウィについて「Tzuyu Deserves Better(ツウィはもっと大事にされるべき)」という言葉がXで広がり、JYPがツウィの活動を抑えているのではという不満が出ていたと、英語圏のメディアが伝えています。

ただ、これはツウィをめぐる話で、ジヒョ本人について不和を示す材料ではありません。

ジヒョの手紙も、JYPのスタッフへの感謝から書き出しています。

 

2つ目は、TWICE解散の前触れではという説です。

ヤフコメにも、解散するのか、活動が減るのかを心配する書き込みがありました。

3人の言葉の中に、解散を示すものはありません。

一方で、チェヨンが退所を発表した8月13日、韓国の証券会社のキウム証券は、JYPの業績の見通しから2026年後半と2027年のTWICEの活動を外したと報じられています。

同じ日、JYPの株価は前の日より11%あまりと、1日で1割を超えて下がり、その年でいちばん安い値をつけました(4〜6月期の本業のもうけが大きく減ったことと、メンバーの離脱が理由に挙げられています)。

本人たちは「続ける」と書き、少なくとも1社の証券会社は、しばらくTWICEとしての活動を見込まない計算をしています。

ファンミーティング(ペンミ)とグループのバラエティ番組を見て安心した、というファンもいます。

 

3つ目は、結婚や私生活のためではという説です。

ヤフコメには、結婚を考えるような年齢になるし、離れたほうが私生活も大切にできるかも、という書き込みもありました。

こちらは、手紙にも報道にも、私生活と結びつく話は出てきていません。

いま分かっている材料では、解散やこじれを示すものは見当たらず、あるのは「しばらく活動が減るかもしれない」という証券会社の見通しです。


残る6人とTWICEのこれから

JYPに残っているのは、ナヨン、モモ、サナ、ミナ、ダヒョン、ツウィの6人です。

このうちツウィについては、2026年7月に韓国メディアが「JYPと再契約しない」と報じたことがありますが、JYPは協議中と答えただけでした。

ジヒョの発表と同じ10月21日にも、韓国のユジン投資証券が、TWICEの再契約の交渉を理由の1つに挙げて、JYPの目標株価(証券会社が見込む、この先の株価の目安)を引き下げたと伝えられています。

 

9人がそろって立った最近の大きなステージは、2026年4月に東京のMUFG STADIUM(スタジアム)で開いた3日間のライブです。

2025年に日本のドームを回ったツアーの追加公演で、その映像作品は2026年12月2日に発売されます。

3人目と聞いてドキッとした気持ちは、無理に打ち消さなくていいと思います。

ツウィたち6人の契約はこれからで、証券会社の中には、しばらくはTWICEとしての活動が減ると見ているところもあります。

ただ、TWICEを続けるかどうかは、もう事務所だけで決まる話ではなくなりました。

退所した3人は、事務所を出てもTWICEに残るほうを、自分で選んでいるんですよね。