南鳥島の海底、水深6000メートルに眠るレアアース。

日本の未来を左右するかもしれない資源、その埋蔵量はなんと世界需要の数十年分にも相当すると言われています。

しかし、採掘コストは陸上の数倍とも。

採算が取れるのか、不安に思う方もいるかもしれません。

中国の輸出規制が目前に迫る中、日本政府は経済安全保障を優先し、このプロジェクトに大きな期待を寄せています。

日本の未来を救う希望の光となるのか、それとも大きなリスクを抱えることになるのか?

南鳥島のレアアース採掘プロジェクトの現状と、その見通しについて深掘りしていきます。

 

南鳥島レアアース採掘の採算確保は現時点で厳しい?

深海6000メートルでの採掘となると、やはり気になるのはコストですよね。

専門家の試算によると、陸上鉱山の2倍から5倍のコストがかかると言われています。

具体的には、レアアース1トンあたり数万円から十数万円にもなる可能性があるのです。

一方、中国産のレアアースは1トンあたり数千円から1万円程度で取引されています。

この価格差を見ると、価格競争力ではかなり厳しい状況と言えるでしょう。

さらに、南鳥島から本土までの距離は約1950キロメートルと、輸送コストも無視できませんよね。

探査船の運用費も年間100億円を超え、初期投資だけでも数百億円規模が必要となることを考えると、単独での黒字化は非常に困難だと考えられます。

本当に、採算が取れるのか心配になりますよね。

  • 陸上採掘の数倍コスト
  • 輸送コストも課題
  • 初期投資も巨額

日本が赤字覚悟でレアアース採掘を強行する理由

それでも日本がレアアース採掘を進めるのには、切実な理由があるんですよ。

それは、レアアースの輸入を中国に大きく依存している現状があるからです。

なんと、その割合は約90%。

中国は世界のレアアース市場で約68%のシェアを握っており、その動向が日本の産業に大きな影響を与えることは想像に難くありませんよね。

2025年4月には中国の輸出規制が強化される予定で(一部延期されましたが)、経済安全保障の観点から、日本は自給体制の構築を急務としています

 

高市早苗内閣のもと、重要鉱物分野は戦略分野に指定され、採算性よりも「いざという時の自給能力」が重視されているんですよ。

経済産業省の試算では、国内需要の10%を賄うだけでも地政学的リスクを大幅に低減できるとされています。

つまり、レアアースの自給は、日本の安全保障に直結する問題なのです。

将来への投資と捉えるべきなのかもしれませんね。

探査船ちきゅうによる2026年試験掘削の最新状況

日本の期待を背負い、深海へと挑むのが海洋研究開発機構(JAMSTEC)の探査船「ちきゅう」です。

2026年1月には、静岡・清水港を出航し、南鳥島南東沖150キロメートルの地点で水深6000メートルの試験掘削を実施する予定なんですよ。

この試験掘削では、世界初の連続揚泥技術に挑戦し、1日あたり数十トンの泥回収を目指しています

過去には2022年に水深2470メートルでの揚泥に成功した実績があり、今回はさらに過酷な環境での技術実証となります。

内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」として2018年から約400億円が投じられ、2026年度補正予算では南鳥島に脱水・運搬施設建設費として164億円が計上されています。

国家プロジェクトとしての期待の高さが伺えますね。

南鳥島レアアース泥の埋蔵量1600万トンの衝撃

南鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)内に眠るレアアース泥は、なんと約1600万トン以上と推定されています。

これは、世界需要の数十年分に相当する量なんですよ。

特に注目すべきは、重レアアース(ネオジム、ジスプロシウムなど)の含有率が中国産の十数倍と高いことです。

重レアアースは、ハイテク産業に不可欠な高価値資源であり、南鳥島産のレアアース泥の資産価値は数十兆から500兆円規模と試算されています。

さらに、放射性物質の含有量が少なく、環境負荷を抑えた精錬が可能という点も大きなメリットです。

まさに、日本の未来を拓く可能性を秘めた資源と言えるでしょう。

  • 推定1600万トン超の埋蔵量
  • 中国産の数十倍含有率
  • 資産価値は数十兆円規模

国産レアアースが日本の製造業を救う日はいつ?

政府と民間は2027年の商業化を目指し、レアアースの試掘成功がハイテク産業(EVモーター、風力発電機など)の命運を握ると言われています。

国内需要の10%から20%を賄う目標が掲げられていますが、採算度外視の国家プロジェクトが民間投資を呼び込むかが大きな課題です。

専門家は「技術革新によるコスト削減が必須」と指摘しており、揚泥効率の向上や精錬プロセスの最適化によって1トン当たりコストを30%削減できれば、競争力が上がると予測しています。

また、国際情勢(米中対立や中国の規制強化)が追い風となる可能性もあります。

国産レアアースが日本の製造業を救う日は、そう遠くない未来に訪れるかもしれませんね。

今後の動向に注目していきましょう。

レアアースは「産業のビタミン」と呼ばれるほど、現代社会に欠かせない素材ですが、採掘と精錬には多くのエネルギーと環境負荷が伴うという側面も持ち合わせています。

南鳥島のレアアース泥は、放射性物質が少ないという点で優れていますが、深海採掘が海洋生態系に与える影響はまだ十分に解明されていません

今後の開発においては、環境への配慮も重要な課題となるでしょう。

南鳥島レアアースの採掘と日本の未来まとめ

南鳥島沖に眠る膨大な資源は、資源小国と言われてきた日本の経済安全保障を劇的に変える可能性を秘めています。

採算性や技術的な壁は依然として高いものの、特定の国に依存しない供給網の自立化を目指す挑戦は、私たちの生活基盤を守るために避けては通れない道と言えるでしょう。

  • 深海採掘のコスト削減が商業化への最大の課題
  • 中国依存からの脱却による経済安全保障の強化を実現
  • 探査船ちきゅうによる世界初の揚泥技術の実証に期待
  • 世界需要を賄う1600万トンの埋蔵量が秘める価値
  • ハイテク産業を支える国産資源の供給開始時期に注目

 

深海6000メートルという未知の領域への挑戦は、単なる資源確保を超えて次世代の基幹技術を育てる好機でもあります。

2026年に予定されている試験掘削の成功が、日本の製造業の安定した未来を切り拓く大きな一歩となることを期待しましょう。