万博閉幕から早10日、SNSを開くといまだに「万博ロス」の投稿が溢れています。
見たこともないモノがたくさん展示され、パビリオンを移動するたびに世界一周旅行をしているみたい…そんな情報量の多い濃い一日、簡単に忘れられないですよね!!
私もアフター万博関連のイベントに行ってみようとしましたが、混雑して入れなかったり、そもそも抽選・予約できなかったり…全く万博ロスが癒せない日々。
そこで期間限定イベントを諦め、閉幕から約10日後の10月25日、吹田市の万博記念公園の中にある「国立民族学博物館」に行ってみることに。
すると…期待以上の満足感!これはぜひ万博ロスの皆様におすすめしなくては!!
そんな思いで帰宅後すぐ、自分でも引くくらいの大量の写真を整理しながら、この記事をまとめました。
目次
「みんぱく」とは?
正式名称は「国立民族学博物館」。
「民族学」とか言われると、正直何だか堅苦しくて難しそうな感じしません?
私はそんな偏見・先入観から博物館の存在を知りながら避けてしまっていました。
ですが実際行ってみて、そんな思い込みを後悔…建物の中に入った瞬間、空気がガラリと変わるんですよ!!
世界160カ国以上から集められた衣食住・音楽・祭りなどの民族資料が、オセアニアから日本へ東回りで地球一周するように展示された空間。
展示ケースの中には世界中の暮らしの道具や衣装が並び、どこからか楽器の音色が聞こえてくる。
静かなのに、どこか賑やか…その雰囲気は、まるで「万博のエッセンスを凝縮した空間」。
一日でこれだけの体験ができるとは…個人的には万博並みの満足感!と思っています。
以下、基本情報を簡単にまとめましたので参考までに。
- 所在地:大阪府吹田市千里万博公園10−1
- 開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:毎週水曜日
- 観覧料:大人780円、大学生340円、高校生以下は無料 (優待などは公式HPでご確認ください)
民族学博物館で再びワクワク!印象に残った展示ベスト3
館内は思っていたより広く、まるで一つの小さな地球を歩いているよう。
混雑しておらず、好きな展示を存分に楽しめるのが魅力的です。
「あー、万博の開幕直後ってこんな感じだったな」と感じるのではないでしょうか?
情報量の多い博物館ですが、その中でも私が特に印象に残った展示を3つ紹介します!
美しすぎる!世界の民族衣装シリーズ
各エリアに入るとまず目に留まるのは、民族衣装の展示。
私も万博会場で、民族衣装を着た人が演奏やダンスを披露しているステージを何度も見かけました。
民族衣装を着ている人のパフォーマンスって、「きれい…」「どこの国の人なんだろう?」と一瞬でくぎ付けになっちゃいますよね!?
すごいのは、各エリアに一つの衣装ではなく、複数展示されているところ。
「○○族」と民族単位であったり、「過去の伝統的な衣装と、現在の文化がミックスされた衣装」のように時代ごと、そして「普段着と特別な日の礼装」といったシチュエーションごとだったり。
例えば中国エリアでは漢服だけでなく、少数民族の衣装やモンゴル帝国時代の衣装も展示されていましたよ!

アフリカのカラフルな衣装は目を引く!
アメリカ大陸の先住民族はファミリーで展示!
マネキンは動かないけれど、「ああ、万博でこの衣装、見かけたなぁ」としみじみ思い出したり…「この柄、見覚えある!」とか記憶が蘇ってきたり…
なにより、衣類っていつの時代もどんな民族にとっても、身近なもの。
だからこそ興味を持って、模様、色合い、質感…まじまじと見てしまいます。
暮らしが垣間見える「伝統的な家屋」再現コーナー
万博の展示物も良いですが、私は外観などの建築デザインを見て回るのが大好きでした。
その国の雰囲気やイメージ、「お国自慢」ポイントがストレートに表現されているところ、良くないですか!?
うーん、確かに伝統と現代的な要素が合わさったパビリオン建築はない…
でも!みんぱくには各エリアごとに「伝統的な家屋」展示があるんです!!
万博なら一部パビリオン内で、伝統的な暮らしの写真や映像の紹介があったかもしれませんが、みんぱくには原寸大で目の前に現れるんですよ!
モンゴルの遊牧民の家・ゲルもある!
屋内を覗くと、そこで生活するひとを模したマネキンや、家財道具が置かれています。
その土地ならではの伝統的な家屋の作りと生活様式が垣間見えるなんて、海外旅行に来た感…いやそれを通り越してもはや「ホームステイ感」ですよ!
こんな作りの家屋、現地に行ってもなかなか見られないのでは?
アフリカの街並みが再現されたコーナーも。英語とフランス語が混じるところが良い!
こちらは西アジア、婚礼に向けて男女が部屋を隔てて準備を進める場面を再現。
家族団らんの様子や、来客をもてなす楽しいひととき、何気ない日常会話が聞こえてきそうな賑やかな街並み、特別な日の喜び・緊張・寂しさ…
マネキンに表情はないけれど、感受性豊かな人は色々な感情を想像しながら見入ってしまうのではないでしょうか?
それにしても、この一瞬で引き込まれるこの世界観がすごい…!
万博みたいに、パビリオンに入った瞬間、その国の雰囲気に包み込まれるような感覚というか…
日本にいることを忘れてしまう体験が再び味わえますよ!
ド迫力の大型展示品
多くの博物館は「ショーケースを覗き込む」ことが多いと思いますが、みんぱくは違います!
そう、全体を通して思ったのが、とにかく展示品が大きい!
天井まで届きそうな巨大な展示品かところどころに展示され、空間を支配していました。
[word_balloon id=”unset” src=”https://minerva187.com/wp-content/uploads/2025/09/26717028-e1757595860745.jpg” size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” name=”小町” balloon=”talk” balloon_shadow=”true”]なるほど、万博もあのダイナミックさが印象的だったわ![/word_balloon]
そうなんです!「まさか、ここで見られるとは思わなかった…!」というような、想像を超えてくるところが万博の感動と全く同じ。
しかも、万博閉幕から10日ほどしか経過していないのに空いているから、開幕直後に戻ったかのような感じでしょうか?
思う存分、ゆっくり見て写真も撮れますよ。
オセアニアにはオーストラリア・アボリジニの壁画も!
中国では漢字だけではない、様々な文字の芸術的な「書」
アフリカでは生地が壁一面にかけられて、カラフルな展示に!
巨大な展示、だけど近づいてみるとわかる繊細さ。
また、初めて見たときと、リピーターで訪れたときに得られる違った印象。
みんぱくには「通期パス」はないですが、リピーター割がありますので、何度も通ってみたら毎回違う発見があって面白いかも!?
「みんぱく」の何がすごい?
何を隠そう、私の趣味は博物館巡り!
旅行に行くときは博物館は絶対予定に組み込み、ゆっくり時間をかけて訪問しています。
でも、万博って「博」の字があるし、展示が充実しているから博物館みたいに捉えていたんですが、全然違いましたね…
実は、みんぱくも他の博物館とはひと味違うと感じたんです。
あくまで私個人の考えなんですが、万博とみんぱくの凄さって圧倒的な展示品の数と「見せ方」にあると思うんです。
具体的に語らせてください!
①カワイイ?シュール? クセ強めな展示の数々
「民族学」って難しそうな単語なのに、これだけ楽しいのはこの2点の条件を満たしている展示品が多いからだと思うんです。
- 身の回りにある日用品
- 惹きつけられるユニークさ
私もポーランドの友達と一緒に万博に行った時のですが、ハーブの展示にピンと来ず…
すると「日本では知られていないけど、実は昔からハーブが有名でね。お茶(tea)はポーランド語でHerbata(ヘルバタ)、ハーブティーから来ているの」って教えてくれたんですよ。
展示品はその国の人にとってみればありふれた馴染み深いもの。
それを独特な展示方法や、ミャクミャクみたいなユニークなキャラクターが出てくることで、「なんだこれ!?」って思わせるから印象に残るのではないでしょうか?
南アジアの日用品コーナー。これを見つけた時、思わず二度見しました(笑)
アメリカ大陸エリアの人形。ぽっちゃりしててカワイイ!
ウズベキスタンの人形。眉毛といい、表情といい…こんなの見たことない!
「パンはパンでもこの地域で有名なパンはなーんだ?」
こんなユニークなものをさりげなく、しれっと展示するなんて面白すぎません!?
しかも食器や人形など、用途を知っているだけに、使っている姿を想像しちゃう…
大阪・関西万博のテーマも「いのち輝く未来社会」でしたよね。
生活に密着した身近なものだからこそ、親近感が沸くものです。
「民族学」なんて重く考えなくていい!
初めて見たのに好きになる、忘れられない、笑顔になれる…そんな展示品で溢れていますよ。
②解説ボードは最低限
とにかく展示品が多い…でも疲れないのは解説ボードが少ないから。
博物館に行くと、解説ボードの文章を全部読もうとしてしまうのですが、結構時間かかりますよね。
人の流れも止まるし、友達と一緒に行ったらペースが合わなくて途中ではぐれてしまったり…小さなイライラを感じるタイミングがあるのではないでしょうか?
でも、みんぱくの文章での解説は最低限。
とにかく目の前にある「ホンモノ」を楽しもうぜ!!って感じが最高です!
日本でも有名になりつつあるメキシコの「死者の日」。みんぱくには骸骨人形があります!
ほんとに空間にぎっしり詰まった展示がすごいんです!!
でも解説ボードなど特定の場所で人が溜まらないから、スムーズに楽しめますよ。
③ショーケースがほぼない!?
これまでの写真を見てお気づきかもしれませんが、ショーケースがほとんどないんです!
巨大すぎて入らないものはもちろん、小さなアクセサリーもガラスを通さず、目の前にある…それだけで感動が倍増ですよね。
それにガラスに照明が反射しないから、細部までじっくり見られるし、写真もキレイに撮影できる、いいことだらけ!
こちらは日本エリア。日本人でも見たことないような展示物もたくさん!
イスラムのアラビア語の装飾が入った刺繍も、こんなに鮮やかに!
ダイナミックな展示物も、小さく繊細なものも、すぐそこにある…
ショーケースを挟まないからこそ、心に直接届く感覚情報を十分に感じ取ってほしいです。
④五感で楽しめる展示の工夫
展示は見るだけじゃない!
楽器の展示があれば、スピーカーから音色が流れる。
会場外には鍋や仮面など、実際に触って質感や重さを体感できるコーナーも。
こうした「見せ方」「楽しませ方」がみんぱくは上手いなーって思います。
東南アジアの楽器。演奏している映像が流れているので、音色やリズム感も伝わる!
触れる展示品で印象的だったのは2つの仮面。
見た目は似ている似ているけれど、触ってみると全然違う…!
子供に戻ったように、楽しみながら考えることもできるんです。
「見てさわるコーナー」は場外(無料エリア)にありますよ!
あとは、ミュージアムショップで展示されていた工芸品が購入できたり。
併設のレストランでは、生パスタなど洋食がメインですが、特別展に合わせた期間限定メニューも楽しめますよ。(レストランは座席数が多いものの、お昼時は混雑していました)
まとめ
展示を通して、世界中の人々の暮らしや文化を知ると、万博のテーマだった「いのち輝く未来社会」という言葉が、現実のものとして感じられます。
展示の一つひとつが「人間ってすごい」「文化って美しい」という原点を思い出させてくれました。
万博ロスで元気をなくしている方、海外旅行に行きたくても円安・物価高で諦めている方に、国立民族学博物館を強くおすすめします!
派手なイベント・ステージは終わっても、世界を知る旅は、いつだって続けられる。
あなたにとっての新しいワクワクの始まりになりますように。
