退職代行『モームリ』の運営会社社長が逮捕されるという衝撃的なニュースが入りました。

1件16,500円の紹介料が「弁護士法違反」とされ、4万件以上の実績を誇る業界大手が窮地に。

労働者の「駆け込み寺」がなぜ摘発されたのか、背景や今後の影響をプロの視点で詳しく解説します。

 

谷本慎二容疑者が逮捕された理由は非弁提携?

2024年2月3日、株式会社アルバトロス(退職代行モームリ運営)の社長である谷本慎二容疑者と、その妻である志織容疑者が、弁護士法違反の疑いで逮捕されました。

「弁護士法ってなに?」と思った人も多いのではないでしょうか?

弁護士法とは?

この「弁護士法」について、具体的には、弁護士資格を持たないにも関わらず、報酬を得る目的で退職希望者を特定の弁護士事務所に紹介し、仲介手数料を受け取っていた行為が問題視されているんです。

なぜこれが罪になるのかというと、弁護士法には「非弁提携」を禁じる厳しいルールがあるからなんですね。

法律実務の公正さを守るため、資格のない者が紹介料ビジネスをすることは、法律で固く禁じられているという背景があります。

これは弁護士法第72条に違反する可能性があり、違反した場合、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

なぜ違法なのか?

具体的に想像してみてください。

もし無資格者が金銭目的で弁護士を斡旋し始めたら、サービスの質よりも「キックバックの高さ」で紹介先が決まるという歪んだ構造が生まれてしまいますよね。

今回の事件は、まさにそのリスクが現実のものとなった形と言えるでしょう。

 

モームリの違法行為はいつから?どのくらい?

警視庁の発表によると、2024年7月から10月にかけて、少なくとも6人以上の紹介行為が確認されており、1件あたり16,500円のキックバックを受け取っていた疑いが持たれています。

谷本容疑者は「弁護士法違反になるとは認識していなかった」と容疑を否認しているようですが、警察は内部資料や関係者の証言をもとに、慎重に捜査を進めているとのことです。

一般的には「単なる紹介」と思われがちですが、継続的に対価を受け取る実態があれば、警察は見逃してくれません!

1件16500円のキックバック報酬が証拠?

そもそも、なぜこの事件が発覚したのでしょうか。

証拠や逮捕の決め手は何だったのでしょうか。

逮捕の決め手は?

逮捕の決め手となったのは、警視庁が押収した内部グループLINEに残されていた具体的なやり取りだったようです。

そこには「成約1件につき16,500円のバック」や「先月合計24万円」といった記述があり、紹介料の存在を裏付ける決定的な証拠となっています。

なぜこれほど生々しい記録が残っていたかというと、社内での売上管理や紹介件数の集計を効率化するために、デジタルツールを多用していたからでしょう。

運営側にとっては業務効率化の手段でしたが、捜査当局にとっては不法な利益供与を証明する格好の材料になってしまったわけですね。

「紹介料」の総額は?

2024年7月から10月までの4カ月間で、少なくとも15件以上の紹介行為が確認され、総額約24万7,500円の紹介料を受け取っていたと見られています。

モームリは、正社員22,000円、パート12,000円という業界内でもかなりの低価格設定で利用者を増やし、メディア露出や広告宣伝にも力を入れて知名度を高めていました。

しかし、その裏では紹介料による収益を確保し、薄利多売なビジネスモデルを補っていた可能性が浮上しているんですよね。

業界関係者によると、退職代行業界では「弁護士監修」を名目に提携先からキックバックを得るケースが、一種のグレーゾーンとして存在しているとのこと。

モームリはその最前線にいたとされており、会社全体の収益構造としては、2022年3月のサービス開始から累計4万件以上の実績を自称していました。

ですが、実は「紹介」という行為そのものが、報酬を伴う場合は弁護士法に抵触するという落とし穴があるんです。

この法的解釈を甘く見ていたことが、今回の破綻を招いたのかもしれません。

単純計算で正社員料金ベースなら約8億8,000万円の売上を達成していた可能性がありますが、紹介料による利益がどの程度を占めるかは、現時点では不明です。

  • 1件16500円の紹介料が証拠に
  • 弁護士法違反の可能性が浮上
  • グレーゾーンでの運営実態

谷本慎二容疑者は弁護士法違反の認識なし?

谷本容疑者は取り調べに対し、「弁護士法違反になるとは思っていなかった」と供述し、違法性の認識を否定しています。

経営者としては、単なる「ビジネスマッチング」や「広告手数料」の延長線上にあると考えていたのかもしれません。

しかし、法的には「事件性のある法律事務の紹介」に当たるかどうかが極めて厳密に判断されるんです。

適法だと思い込んでいても、実態が法律を逸脱していれば容赦なく罰則が適用されるのが法治国家の厳しい現実ですね。

モームリのアピールと実態の矛盾

しかし、モームリはサービス開始当初から「弁護士監修」を大々的にアピールし、テレビやYouTube、雑誌など40社以上のメディアで「適正業務」を謳ってきたんですよね。

この矛盾点が、世間からの批判を招いているのは当然かもしれません。

例えば、あなたが利用者の立場だったら、「弁護士がチェックしているから100%安全」という言葉を信じてお金を払いますよね?

それなのに中身が法律違反だったとなれば、裏切られた気持ちになるのは避けられないでしょう。

X(旧Twitter)では「監修を売りにしてたのに違法ってどういうこと?」といった疑問の声が多数上がっています。

警視庁は2025年10月に家宅捜索を実施し、内部資料や関係者への聞き取りを慎重に進めた結果、今回の逮捕に至りました

実は、監修弁護士がいれば何をしても良いわけではなく、非弁活動の隠れ蓑に使われることを法律は最も警戒しているんですよ。

弁護士側にも責任が波及?

捜査関係者によると、モームリが提携していた弁護士事務所との契約内容や、紹介行為の具体的なプロセスが焦点となっており、弁護士側にも責任が及ぶ可能性が指摘されているんですよ。

もし弁護士側も共謀していたとなれば、資格剥奪などの懲戒処分に発展する重大な事態かもしれません。

単なる一企業の倒産問題では済まない、法曹界を巻き込んだ大事件へと発展しそうな予感がしますね。

退職代行モームリの今後の営業や返金は?

社長夫妻の逮捕により、モームリのサービス運営は事実上停止状態にあるとみられています。

代表者が不在となれば、組織的な意思決定ができなくなるため、サービスの継続は極めて困難でしょう。

特に退職代行は相手企業との交渉が必要な局面もあるため、運営の空白は利用者にとって致命的なトラブルに繋がりかねません。

 

利用者の状況や返金対応

公式サイトでは「一時的な対応遅延」と記載されているものの、利用者からの問い合わせに返答がないケースがXで報告されている状況です。

モームリは「退職できなかった場合の全額返金保証」を謳っていましたが、逮捕後の返金対応は未定となっており、既に支払い済みの利用者には大きなリスクが伴います。

会社を辞めるためのなけなしの数万円を払い、音信不通になって退職も進まない……そんな最悪なシナリオも十分に考えられます。

 

現在依頼している場合はどうしたらよい?

消費者庁や国民生活センターには、モームリ関連の相談が急増しており、2026年2月5日時点で約150件もの苦情が寄せられているという報道もあります。

現在進行中の依頼者は、まず契約内容や支払い証明を保管し、国民生活センターや最寄りの消費生活相談窓口に相談することが推奨されます。

ただ、会社自体が資金凍結や差し押さえを受ければ、返金が受けられる可能性はかなり低くなってしまうという盲点もあります。

 

また、代替として弁護士法人や労働組合が運営する退職代行サービスへの切り替えも検討した方が良いでしょう。

民間業者の格安プランは魅力的ですが、今回のような法的リスクが露呈した今、多少コストがかかっても「適法性が担保された組織」を選ぶのが、結局は一番の近道かもしれませんね。

モームリ逮捕が退職代行業界に与える影響

今回のモームリの逮捕は、退職代行業界全体に大きな波紋を広げています。

これまでは「法律の隙間を突いた便利なサービス」として容認されてきた側面もありましたが、今後は当局の監視の目が一層厳しくなるのは間違いありません。

業界の健全化が進む一方で、多くの小規模業者が廃業に追い込まれる可能性も出てきそうですね。

 

業界関係者によると、民間業者の約6割が弁護士との提携を名目にグレーな運営を行っているとされており、警視庁が一斉摘発に動く可能性も囁かれているんです。

厚生労働省の2023年データでは、退職代行サービスの利用者は年間約5万人に上り、市場規模は約50億円と推定されています。

それほど需要がある分野だからこそ、一部の不適切な運営が利用者全体の不利益にならないよう、ルールの再構築が求められているんでしょう。

 

しかし、モームリのような大手が摘発されたことで、今後は弁護士法人や労働組合直営のサービスのみが生き残る時代が到来するかもしれません。

一般的には「どこに頼んでも同じ」と思われがちですが、実は「会社と交渉する権利」があるのは弁護士か労働組合だけなんです。

民間業者はあくまで「連絡の仲介」しかできないという法的制約があることを、改めて認識しておく必要がありますね。

一方で、利用料金が民間業者(2〜3万円)に対し、弁護士直営では5〜10万円と高額なため、経済的に余裕のない労働者が退職をするときに会社とのトラブルが増えるのではないかという懸念も出ています。

パワハラや過労で退職を望む20〜30代の若年層にとって、「安心して辞められる環境」が後退するリスクも考えられるんですよね。

利便性と法遵守のバランスをどう取るべきか、社会全体で議論すべき重要な課題と言えるかもしれません。

  • 業界全体のグレー運営に波紋
  • 利用者数は年間約5万人
  • 弁護士/組合サービスが主流に?

まとめ

業界最大手であるモームリの社長逮捕は、便利さの裏側に潜んでいた法的なリスクを浮き彫りにする結果となりました。

これまで「安心」を信じて利用してきた方々にとって、今回の非弁提携の疑いは非常にショッキングなニュースだったはずです。

今後の業界再編や法整備の動向を注視しつつ、私たちが身を守るために知っておくべきポイントを整理しました。

  • 弁護士法違反の疑いで社長夫妻が逮捕
  • 1万6500円の紹介料が決定的な証拠に
  • 現在はサービスの運営が停止状態にある
  • 返金保証などの契約内容の確認が必要
  • 今後は弁護士法人や労働組合が主流に

退職代行は本来、苦しい環境から抜け出すための正当な手段であるべきですが、今後はより慎重な業者選びが求められます。

もし現在トラブルに巻き込まれているなら、一人で悩まずに消費生活センターへ相談するなど、早めの行動を心がけましょう。